2巻のあらすじと感想
宇宙時代に適応して生まれた「進化した人類」のアラタ、シーザー、ターラ、ルイの4人。ダフネー症を患った友人の祇園を亡くして16年後、アラタはダフネー症の治療法を研究していました。国連大学コクーン内で10年の歳月をかけて秘密裏にロケットを建造するアラタたち4人。
3巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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アラタがネオテニィの中でも特別な記憶力を持つことに気づいたのは、アラタのひいおばあちゃんでした。冷静で勇敢なアラタの気性をなにかの思し召しだと感じた曾祖母は、電子書籍化されていないその時代では禁書とされている本をアラタに託します。曾祖母の教えつけどおり、すべての本を読んで薬で溶かして証拠を隠滅する幼いアラタ。曾祖母の父ソウイチロウは、娘にだけは甘く、禁書とされている本を集めることを見逃していました。特別に見えるネオテニィでしたが、普通の人間に過ぎないと言い放つ曾祖母。
歪んだコクーン社会の全貌が徐々に明らかになっていきます。契約外の他人との交流を禁じ、第一から第三までパートナーを選び、そのパートナーとは別に生殖パートナーを選びます。狭いコクーンで安全と行動の自由度を高める合理的な制度。ソウイチロウのときにネオテニィの精子や卵子がばらまかれたために、人工授精医療は禁止されていました。社会に貢献できなかった人はリストインが通告されて死ぬことになっており、お年寄りでなお生きているということは社会に貢献した証として尊敬される社会。
この制度があるからコクーン社会が平和だと信じて疑わないターラを、ルイは「いやなものには目をつぶって何ひとつ見ようとしない子には最高の制度だ」と笑って言い放ちます。
アラタが診ていたダフネー症の少女マリィが、ロリコンのラリック教授に弄ばれるという事件が起き、ラリック教授はお咎め無しでマリィがリストインするという事件が発生。ターラが目をつぶっていたネオテニィ>旧人類>ダフネー症という階級社会を維持するために制度があることがまざまざと見せつけられます。
ネオテニィの上にはさらに天上人がいるようですね。姿を見せないソウイチロウ、数々の禁書、世界の裏側にいろいろ闇が広がっているようです。
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