隔週誌のグランドジャンプに連載されている「そしてボクは外道マンになる」の打ち切りが決まりました。このエントリを書いている時点で残り3回。内容は、平松伸二先生の自伝を誇張しまくってフィクションっぽく描くというもの。
Tweetで最初に発表されて、本編の中で担当に打ち切りを宣告されたというエピソードまで入ってました。理由は、アンケートが悪く、単行本の売れ行きも良くないという至極まっとうなもの。
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最近の展開は確かにひどかった
直近のエピソードは、妻である美奈子さんに関するもの。もしかしたら知らない読者も居るのかもしれませんが、この美奈子さんエピソードは全部フィクション。何を描いてもいいけど自分のことは描くなと妻から言われていた平松先生が、想像上の彼女との出会いから結婚生活までを妄想しています。
漫画家なんぞに嫁にやれないと怒る義理の父に約1億円が入った預金通帳をチラつかせる
結婚してから、妻がかつて付き合っていた恋人を亡くしており、堕胎経験もあるという
これらは全部妄想。読みたかったのはコレじゃないんですよね。実話部分がまったくないとわかっていると読む方も白けてしまいます。限りなくノンフィクションな、歴代編集や有名漫画家たちとの絡み、ジャンプ連載における辛酸を嘗めるところでどんどんゲスくなっていくところが読みたいんですよ。
だけど、漫画家としてのプライドがほとばしる見どころがたくさん
打ち切りを告げられるシーンで、ど迫力で描きこまれた「この外道マンの連載終了が今までで一番悔しいに・・決まってるだろうがァァァア!!」という叫びに笑いました。ヤクザにしか見えない故人との迫力あるやり取りがたくさん登場しますが、これみんな遺族に了承を得て、本人と見ておかしくないからこそ描けたシーンばかり。アシスタントから原作付きで連載、着実にヒット作を続けていってのメガヒットという道程は読み応え抜群。
私が一番好きなのは、アシスタントに来た猿渡先生の才能に嫉妬して利き腕をハサミで刺そうと逡巡するところ。半分くらいマジっぽさがあるのがいいんです。
外道マンも興味ない人にとってはそうなんでしょうけど、グランドジャンプは本当に誰が読んでいるのかわからないターゲットの年齢層が高そうなのがチラホラあります。一番好きなのが「外道マン」、次が質問コーナーの「儂に訊くな」な私は、あんまりメインの購買層じゃないのかな。打ち切りは残念ですが、どこか拾ってくれないものでしょうか。
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