ファンタジー老人ホームばるはら荘 / 岡村アユム(1)、世界を救った勇者たちのいる老人ホームで働く魔王の孫

1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

いわゆる「なろう系」のRPG世界を下敷きに、老人ホームを舞台にした介護コメディが展開されます。

老人ホームは戦場だ。いのちだいじに介護コメディ、開幕!!!

かつて魔王を倒した冒険者たち――彼らは加齢とともに迷惑老人へと成り果てていた。そんな老人たちを収容、もとい入居させた老人ホームに新人の介護士マリーが加わる。だがマリーの正体は、かつて冒険者たちに倒された魔王の孫で!? ヘタなクエストより困難なファンタジー老人介護の最前線!

この紹介だけ読んでもまだどんなマンガなのかわかりませんが、世界を滅ぼそうとした魔王を倒した勇者たちはボケて老人ホームに入っても最強の能力や技、魔法を覚えたままなのです。獲得した経験値が減らず、レベルの下がらない世界だからこそ生まれた悲劇。

1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

王立特別養護老人ホーム、通称ばるはら荘には、魔王討伐の功績が称えられたかつての英雄たちが入居していました。そんなばるはら荘に新人介護職員としてやってきたマリーの正体は、実は魔王の孫。
気付かれないように老人たちを暗殺しようと思っていたマリーですが、巨大なドレイクを従える老婆や、炎の初級魔法が施設を崩壊させるほどの威力を持つ魔法使いなど一筋縄では行かない老人たちを前に震えます。さらに職員たちも、歴戦の勇者たちに劣らぬ猛者ばかり。戦の世で力を発揮するはずだった英雄の後継者たちは、その力を発揮できるであろう唯一の場所として用意されたホームにて、みんな介護職になっているというシュールな世界でした。
戦力差がどうにもならない老人ホームで、信頼を得るために着実に介護職員としてのスキルを高めていくことに極めたマリー。そんなマリーの英雄たちとの奮闘と、介護のスキル獲得が描かれます。

このマンガの何がすごいって、小ネタで入ってくる介護のやり方や介護老人への接し方が割とガチでちゃんとした情報になっていること。「マンガで学ぶ介護」とかになっていてもおかしくない感じです。