ヴァンパイア・サバイバー / 今野直樹(1)、ヴァンパイアと戦う特殊部隊を描く古くて熱いホラー・アクション

集英社とホーム社が運営しているコミックポータルcomip.jp。comipのZはかつて集英社で活躍したベテランと新人がいろんな意味で熱いマンガを連載しているwebコミックです。

今野直樹先生といえば、ダブルハードのイメージしかありませんでしたが、原点に回帰しまくって熱くヴァンパイアとの戦いを描くマンガ「ヴァンパイア・サバイバー」がなんともいえない面白さ。

車のトラブルのために雪に閉ざされた山荘に助けを求める男女。2人が部屋に入ると、執事の男がヴァンパイアの正体を露わにして襲いかかりますが、服の下を完全武装していた2人に撃ち殺されます。山荘はヴァンパイアの拠点で、スキー客に見えた男女2人は特殊部隊VAT(Vampire Assault Team)の一員でした。同僚たちも屋敷に入ってきてヴァンパイアとの戦いが幕を開けます。
チュートリアル的な戦いで明かされる様々なこのマンガにおけるヴァンパイアの設定。日光や銀が弱点で、噛まれると一晩でヴァンパイアになります。一晩経つ前に、噛んだヴァンパイアを殺せば、ヴァンパイア化はストップ。
闇に潜むヴァンパイアが活動を開始したのは、「キング」と呼ばれるヴァンパイアが帝国を築こうと活動を開始したからでした。ヴァンパイアの身体能力や再生能力は人間を遥かに上回りますが、そのヴァンパイアと対等に戦えるのが主人公でVAT隊長の矢島堅斗や宮下真琴たちヴァンパイア・サバイバー。ヴァンパイアに噛まれ、自身がヴァンパイア化する前に噛んだヴァンパイアを殺すことで、驚異的な能力だけをその身に取り込んだ人間たち。

まったく奇をてらったところのない王道路線なヴァンパイアとの戦いが描かれています。電子書籍オンリーなのはもったいない面白さ。表紙やタイトルからはややクラシックな雰囲気が漂っているので、若い人は手に取らないかもしれませんが、オススメです。