「夢の雫、黄金の鳥籠」は姉系プチコミックに連載されている篠原千絵先生のマンガ。篠原先生の「天は赤い河のほとり」は傑作でしたね。同じように歴史もののファンタジーですが、オスマン帝国皇帝、スレイマン1世の后・ヒュッレムというれっきとした歴史上の人物にフォーカスを当てています。
権謀術数が渦巻く後宮が舞台。後宮にいる女たちの序列は、ひとえに皇帝の寵愛を受けられるか否かにかかっています。皇帝から愛されるだけではダメで、皇子を産まなければ権力を得られません。更にいうと、最終的にその皇子が皇帝になれなければ他の兄弟はすべて殺されるという悲惨な運命が待っています。
そんな後宮でスレイマン1世とその小姓頭イブラヒムとの間で揺れ動くヒュッレム、という三角関係が展開されます。このマンガすごく面白いんですけど、4巻辺りからモブキャラの顔がおかしくなってきたりして読んでて心配になります。おそらく篠原先生が主要キャラの顔だけ描いて、他をアシスタントに任せたから起こってしまっているんでしょうけど、それにしてもあんまり。
6巻までのあらすじと感想(ネタバレ注意)
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舞台は16世紀初頭。ルテニア*1の寒村で暮らしていた少女サーシャは、一度も村を出ることもなく村の外に思いを馳せていました。ある日、村が略奪され奴隷として売られることになり、マテウスと名乗る男に買われ、彼の屋敷に連れていかれます。マテウスを慕いながら、サーシャは知識と教養を身につけていきます。
しかし、サーシャのマテウスへの思いが実ることはありませんでした。サーシャはマテウスに新しい名ヒュッレムを与えられて、オスマン帝国皇帝(スルタン)のスレイマンに献上されます。マテウスの正体はイブラヒムという名のスレイマンの側近中の側近。スレイマンの妾として後宮で暮らし始めたヒュッレムは、やがて後宮内の権力闘争に巻き込まれていきます。
スレイマンの寵愛を受けて妊娠した側室の一人が、第一夫人ギュルバハルの策略で殺されるのを目の当たりにするヒュッレム。ギュルバハルはスレイマンの子供を産んでおり、他に皇子がいなければ自動的に息子が皇帝になり、最高権力を手にすることができる立場にあります。
場面が大きく動くのは、ギュルバハルが未だ妊娠していないヒュッレムを、買収した黒人宦官を使って直接始末しにかかったとき。捕らえられ、海に投げ込まれて絶体絶命となったヒュッレムを助けたのはイブラヒムでした。敬愛するスレイマンにたくさんの子を持って欲しいと願い、ギュルバハルの策略に負けない優れた女を献上しましたが、その実イブラヒムはヒュッレムのことを思っていました。イブラヒムがヒュッレムを助けだしたその夜、相思相愛だった二人がついに一線を超えちゃいます。次の日、その夜のことを知る部下を全員その手で殺すイブラヒム。しかし、口の聞けない白人宦官のシャフィークだけは見逃されます。
後宮に戻ってからもスレイマンの寵愛を受けるヒュッレム。側に控えて、王に抱かれているヒュッレムの声を聞くイブラヒムの心情たるや・・・。その思いはヒュッレムも同じ、必死に声を殺して王に体を預けます。
スレイマンとイブラヒムは領土を広げるためにロードス島へ遠征。イスタンブルに残ったヒュッレムの妊娠が判明します。どちらの子か判らず戸惑うヒュッレムに、ギュルバハルは後宮内で血が流れることを厭わず、買収した部下たちに襲撃させます。それを退けたヒュッレムは、殺した部下たちの死体をギュルバハルの部屋の前に置いて宣戦布告。ロードス島では、ヒュッレムを下賜*2してもらうために武功を立てようと必死。その甲斐あって、イブラヒムの働きにより屈強な守りを誇ったロードス島は墜ちます。
6巻の最後は、イスタンブルに凱旋し、イブラヒムが「後宮でギュルバハルとヒュッレムの権力が逆転した」という話を聞いた所で終わります。
6巻までのあらすじなんで、駆け足になっちゃったんですけど大事なポイントは抑えているはず。最初に三角関係って書いたのは、スレイマンの本心が見えないから。時折スレイマンがイブラヒムに迫るシーンがあり、両刀なのかと思わせられます。歴史上の人物なので大筋はわかっているものの、ヒュッレムのこの後どうなるのか気になってしかたありません。最終的にイブラヒムに下賜されないことは確実としても、2人の思いが結局どうなるのか。
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