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若者を殺すのは誰か / 城繁幸、相変わらず世代間格差をガンガン煽ってきます

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私もたまにはビジネス書を読みます。読んで行動が変わるわけではありませんが、新しい視点を自分の中に取り込める点が有益である場合があります。本書を書いた城繁幸氏のブログコラムはちょくちょく見てます。

筆者の主張はずっと一貫してブレませんね。事実上崩壊している終身雇用制度の維持をやめ、労働市場を流動化することで日本の企業と若者が活躍できるようにしたい、ということだと理解しています。

表紙は筆者が考えたんでしょうか。仏頂面の岡村いずみさんですね。

若者を殺すのは誰か? (扶桑社新書)

若者を殺すのは誰か? (扶桑社新書)

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本書の中身は、ブログやコラムを読んでいればとりわけ目新しい部分はありませんでした。ただ、2010年頃から2012年末にかけて起こったことを追いかけて、日本社会の病巣を切り捨てるのは一読の価値アリです。

1章から5章までは、主に年金に関する世代間格差、終身雇用の問題点、若者に対して厳しい政治などを取り上げます。6章からが、筆者から若者へのメッセージでしょうか。私たち有権者にできることは、リテラシーの向上くらいしかないんでしょうかね。意外にも失うもののない現在の若者たちは、この社会にあっても明るく現状を変えようとする意思が感じられる、ということでした。

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私は年齢で言えば20代から30代で、本書で言うところの若者であり、新卒しか取らない大企業よりの中小企業に新卒入社した、いわば現状を憂いて既得権益を守ろうとしている世代ですね。企業という自分たちの既得権益は守りたいと思いつつも、終身雇用の継続も難しそうだし、かといってグローバルに戦う自信もないといったところでしょうか。

私は、そんなに未来を心配していませんよ。困難があることを覚悟はしていますけど。むしろ、この目で日本が新興国並みに落ちていく歴史を見られるのであれば、見てみたいですね。負担の格差を煽りますけど、年金も破綻はしないでしょう。給付が75歳や80歳からになったりして、生きてる間にもらえないだけです。

舌鋒鋭い切り口が面白いので、今年あたりで続編を書いてもらえないかな。私の会社で起こった城氏の好きそうなネタといえば、労働組合ストライキも辞さない態度でベースアップを勝ち取ったんですけど、保険料のアップで結局手取りは下がってた、というコントみたいな出来事がありましたよ。他の会社でもありそうなので、是非取り上げて欲しいですね。

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