桜坂洋先生のライトノベルを「ヒカルの碁」「DEATH NOTE」の小畑先生が漫画化しました。7月4日からはトムクルーズ主演の映画も公開されています。英題は違いますが、邦題はラノベと同じ「All You Need Is Kill」。
舞台は、異星人が地球に送りこんだ「ギタイ」と呼ばれるロボット(元々は惑星改造(テラフォーミング)のための土木作業用だったものが進化した)に襲撃を受ける地球。世界各国でギタイの侵略が進みつつあった。主人公キリヤ・ケイジは、ギタイと戦う統合防疫軍に初年兵として入隊する。そこで、圧倒的な戦闘力を持っている若き少女兵士リタ・ヴラタスキと出会う。
ある日、キリヤは初出撃で死亡するが、なぜか意識を取り戻すと「出撃前日の朝に戻っている」という怪現象に見舞われ、それが幾度も繰り返される。生と死を繰り返す中、「記憶だけが蓄積される」ことを知ったキリヤは、ギタイを倒すために、その能力を活かして経験を積み重ねる。
あらゆる手段を講じ、リタに匹敵する戦闘力を身につけていくキリヤは、戦士として激化する戦いを生き抜いていく。(Wikipediaより)
ラストに至る展開は、原作と同じですがなかなかに絶望的。映画版は脚本が違うので異なる結末なんでしょうか。
漫画版のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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主人公のキリヤは、この戦いが初戦という新兵ですが、死ぬたびに「出撃前日の朝に戻っている」という怪現象に見舞われます。このループから脱出するためには、ギタイを倒して生き残る必要があります。生き残れなければ、延々と死の苦しみを味わわなければならないという絶望的状況。死線を越えるたびに成長していきます。
主人公の成長の過程が小畑先生の美しい絵で超カッコイイです。表情が殺伐としてカゲを落としていく様子もすごくいい。
158周目にして最初に自分を殺したギタイを見つけた時に、最強の少女兵士リタから「おまえ…今何周目なんだ…?」と話しかけられます。リタもキリヤと同じく、何度も過去をやり直して最強の兵士になっていました。リタの両親はギタイに殺されています。リタの父は、死ぬ前に生身で2体のギタイを破壊していますね。これはすごい。
リタは、過去をやり直すのは、ギタイの持つ能力の一つであると見抜きます。過去からやり直して現在を分岐させてより有利な未来を作り出す、という能力です。ループを抜け出すためには、過去へのバックアップとなっているギタイを破壊しなければなりません。リタは最初のループを抜け出すのに211周を費やしていました。
そうしてループを経験したリタと、現在ループの中にいるキリヤが力をあわせて、今回のループ脱出を目指します。目標はバックアップになるギタイの破壊。しかし、ギタイを破壊してもキリヤはループを抜けられませんでした。自分以外のすべてのバックアップを破壊できなければ、ループを抜けられません。キリヤとリタは、それぞれギタイの過去への通信を脳が受け取ったために混線して同様の能力を得ていました。つまり今回の戦いでは、2人がそれぞれのバックアップになっているため、ギタイに加えてどちらかがどちらかを殺さなければ誰もループを抜けられないことになります。
最後はキリヤがリタを倒し、晴れて1人ループを抜けます。
このあとの展開があるとすれば、最強の兵士となったキリヤがギタイを倒していくという事になるのでしょう。しかし、キリヤと同じように脳がギタイの過去への信号を受け取ってループに巻き込まれた人がいれば、再びどちらかがループを抜けるために殺しあわなければなりません。結構絶望的な終わり方ですね。
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