恋は雨上がりのように / 眉月じゅん(1)(2)、45歳バツイチ・子持ち・ファミレス店長の恋をした17歳の女子高生

「恋は雨上がりのように」は月刊!スピリッツに連載している眉月じゅん先生のマンガ。黒髪ロングヘアーのクールビューティとでも呼ぶべき女子高生が、バイト先のバツイチ45歳ファミレス店長に恋をするというお話。

自分の倍以上年上でバツイチで十円ハゲもあって、ファミレスの店長でお客に頭を下げる日々ないわゆる冴えないおっさんと、人目で吸い込まれそうになるくらいきれいな女子高生の組み合わせ。ハッピーエンドがまったく見えないというか、うまく行ったら逆に怖い恋愛漫画ですね。

1巻と2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

女子高生の橘あきらは、放課後ファミレス「cafeレストラン　ガーデン」でアルバイトをしています。誰に対してもそっけない態度を取り、特に男性に対しては突き刺さるような冷たい視線を向ける美しい容姿を持つJK。しかし、意外と面倒観が良いという一面を持ちます。

近藤正巳は45歳・バツイチであきらがアルバイトしているファミレスの店長。あきらの冷たい視線に対して「まるでゴミでも見るような」と感じますが、それはそれ。他のアルバイトからもそれとなく見下されている哀愁漂う冴えないおっさん with 十円ハゲ。

そんなあきらが正巳に向ける視線がどこかおかしい。見つめながら「すき」という心の中のセリフ。つつがなくバイトのシーンが展開されて、相変わらず店長は冴えないおっさんですが、客が携帯を店内に忘れたシーンから少しずつ告白へと場面が動いていきます。携帯を忘れた客に声をかけようとするも、自転車で走って行ってしまいます。走って追いかけるあきらは、高速のダッシュで追いつきますが、その後立てなくなってしまいます。アキレス腱になんらかの深刻な怪我を抱えている様子。それを熱心に介抱する正巳。後日家にお見舞いに向かう店長に出会い、ファミレスで食事をすることになった時にとうとうあきらが告白。本気と受け取らず人間的に好かれているだけだろう、と思っていたら後日土砂降りのなかずぶ濡れで再び告白を受けて本気だと認識します。

かつて陸上部に所属していたあきらは、エースとして活躍していましたがアキレス腱の致命的なケガで体部を余儀なくされ、失意の日々を過ごしていました。そんな時に雨宿りで入ったファミレスでの店長とのやり取りで励まされたことにより、惚れ込むことになってしまっていました。なんてことはなく、サービスでコーヒーを出して、「すぐにやみますよ」と声を掛けただけなんですけどね。それとなく人の良さはにじみ出ていますが。ここまで1巻。

意を決して告白してから吹っ切れたか返事を迫るあきら。もちろん店長はうれしいものの本気にはしません。「俺なんかとデートしたら、気持ち悪いでしょ」というセリフに対して、「デートしてくれるんですか」という切り返し。甘酸っぱく映画デートをすることに。

と、ここで割り込んでくるのが大学生でプレイボーイなアルバイトの加瀬。あきらの思いに気がついて、黙っていてほしかったら自分とデートしようと持ちかけます。「絶対にうまく行かない」「キモイよ」なんて言われますが、あきらはブレません。嫌味っぽいキャラで描かれていますが、ここまで読んだ読者の声を代弁しているかのような加瀬。

そうして向かえた店長とのデートに日。見る映画は加瀬と見たのと同じ。しかしおしゃれな服装、穏やかな視線、ちょっと赤いほっぺ、全てが加瀬の時と違います。

次のシーンはあきらが正巳の家に行くひとコマ。ここまででちょくちょく正巳の息子である勇斗が出てきていたんですが、あきらと勇斗はリコーダーの練習を通じて結構打ち解けています。バツイチ子持ちだと知った時のあきらは結構ショックを受けていましたが。勇斗は母親側に引き取られるも、ちょくちょく正巳の家にも言っているよう。そんな勇斗を家に送っていきそのまま正巳の部屋の中に。勇斗にオムライスを作ってやるも、正巳が帰ってきた時に何故か押入れの中に隠れてしまうあきら。

甘酸っぱく青春しているマンガではあるんですけど、うまく行くとは思えませんね。新しい路線であるのは間違いないですが。うさぎドロップですら、ソレはないわ、と思ってしまった私なので。