奴隷区 / 岡田伸一 / オオイシヒロト(8)、ムオンを配下に入れるエイア、ゼロの正体は二重人格！？

SCM(スレイブコントロールメソッド)という口の中に着ける矯正器具のようなものに関わった人を描くマンガ。SCMを着けた者同士が勝負をすると、SCMから脳に電気信号が流れ、敗者は勝者の奴隷になります。

最大勢力リュウオウと、リュウオウが倒したいムオンを傘下に置く特別製SCMを付けたツバキ。ミナミは祖父であるムオンを取り返すために、ムオンが一人で事務所にいるところに突撃します。ツバキに「勝負に応じるな」と命令されていましたが、ミナミがムオンの命を奪おうとしたことで強制的に勝負に。見事ミナミが勝利してムオンを取り返します。そしてそこに現れるエイア。

8巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

奴隷がいるにも関わらず自ら動いて勝負を挑んでいくエイアを青臭いと断じるムオン。ミナミ・ムオンとエイア・ズシオウマルでチーム戦の集金ゲームに。2時間以内によりたくさんの現金を集めたほうが勝ち。電話は禁止、というルール。ムオンに明らかに有利な勝負なのは、こうでもしないと勝負を受けてくれないだろうとエイアが提案したから。

戦いが始まると、早速ムオンは部下に命じて自分の店の現金をかき集めさせます。さらにエイアの監視につけたミナミの盗聴器から動向を把握。電話は禁止ですが、盗聴器はO.K.。エイアは町中に出ると、路上でのアカペラでおひねりをもらって客の女から50万円を受け取ります。もちろん仕込み。さらに、ムオンの方にもユウガに現金融資の営業をかけさせて、法外な利息で契約を結ばせて直前に現金を奪おうとしますが、その目論見はあっさり見破られます。ユウガが持っていた現金は取り上げられ、その金額を合わせればエイアに勝てることを確信しますが、その慢心をエイアは狙っていました。全部で390万円あるはずが、ユウガから取り上げた300万円はかばんに仕込まれた発火装置で燃えてしまいます。100万円集めていたエイアの勝利。

次の話で冒頭からいきなりゼロがリュウオウに逆らうことができたネタバラシ。品川ゼロは二重人格で、もう一人江東キヨが宿っていました。キヨはゼロの母親でしたが何故か人格だけゼロの中に。キヨはマツコデラックスそっくりの千代田マリアの先輩。そしてゼロの父親はあのSCMの理論を開発した墨田教授。マリアはキヨに頼まれてゼロの面倒を見るために協力していました。自分の信者にしてSCMなしで接近アラームを検知する特異体質を持つ板橋ゲッコウを部下にして。

リュウオウやツバキの動向を監視しつつ立ち回っていたマリアでしたが、ガスマスクを装着したSCM使用者に襲われます。理不尽な暴力を使った勝負であっという間に奴隷に。このガスマスクの男は、単独行動していた港タキオですね。

エイア、リュウオウ、ゼロ&マリア勢力が複雑に混ざり合って来ました。まだ何人かフリーSCMユーザもいますが、3勢力とツバキ勢力の戦いがメインで進んでいくんでしょうね。