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マンガ終身旅行者 / 木村昭二、働かなければ、食べてはならないのか。

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マンガ 終身旅行者 Permanent Traveler (ウィザードコミックス)

記事のタイトルは本のタイトルではなく私の心の声。 10年前に出版されたマンガ終身旅行者を読んだ。 PT(Permanent Traveler、終身旅行者)のライフスタイルが描かれている。 帯に橘玲さんの「自由に生きるための最高の戦略がここにある」とある。

マンガ 終身旅行者 Permanent Traveler (ウィザードコミックス)

マンガ 終身旅行者 Permanent Traveler (ウィザードコミックス)

終身旅行者(PT)とは文字通り、1つの国に定住するのではなく、節税可能な国を移住しながら生涯、旅行者として生活するライフスタイルのことです。 カントリーリスク回避型ライフスタイルとの触れ込みですが、10年たってみてどうなんでしょう。

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PTとはどのようなスキームなのでしょうか。 ある国に滞在して、滞在日数が税法上その国の「居住者」となり納税義務が生じそうになったら別の国に移住します。移住先の国でも同じことを繰り返します。 このライフスタイルは節税だけが目的のようですが、ライフスタイルを分散させるという意味合いもあるようです。

主人公のハルアキは銀行員時代に稼いだお金を中国・ロシア株で運用しPTになるだけの資産を築きます。その後、バヌアツを中心に移住しつつスイスのプライベートバンクで資産を運用しています。

現在ではバヌアツは地震の被害を受け、津波の危険性もあることから移住は推奨されません。また、スイスのプライベートバンクはアメリカの圧力に屈して顧客情報を政府に渡してしまいました。

当時推奨されたPTのスキームが現在も有効なわけではないようです。ただし、物語では常に感度高くタックスヘイブンの情報を収集することの重要性が示されます。オフショアへの資産公開圧力が年々強まる、という状況は10年たっても同じですね。

ハルアキには資産運用による収入はありますが、働いてはいません。いわゆるアーリーリタイアと呼ばれる状態です。「働かざるもの食うべからず」という言葉が日本にはありますし、彼のような生き方は日本人の大多数には反感を買うのかもしれません。

私が小学生3、4年生だったでしょうか。 給食当番に当たっており、給食の準備をしていました。 担任の先生が着てから食べるというのが、暗黙の了解となっていたのですが、11:50になっても先生は着ませんでした。私はあまり食べることに積極的ではなかったのでお腹がすくまで遊んでようとフラフラと他のクラスの友達に会いに行きました。 その後、帰ってきたところ先生の食事が用意されていなかったからでしょうか。「働かざるもの食うべからず」と叱られ、給食を食べないように言われました。 当時の私はこの「働かざるもの食うべからず」という言葉の意味がわからず、何か悪いことをしてしまったんだと反省し、帰るまで空腹に耐えていました。今にして思うと理不尽なのですが、当時は素直に我慢しましたね。その後「働かざるもの食うべからず」の意味を理解して、担任の先生に対して怒りがわいてきましたが今更反論してもどうにもならず悶々と一年間をすごしたことを覚えています。

その後、なぜか「働かざるもの食うべからず」といわれると反射的に「働かなければ、食べてはならないのか」と心の声が出てくるようになってしまいました。ここに出てくるハルアキのような生き方ができれば心の声といわず堂々と働かなくてもいいだろうと言えるんですが。ただ、働かなければならないという固定観念があると彼らの生き方の良い点を見逃してしまいます。私たちは日本に住むことで知らず知らずのうちにリスクの高い生き方をしている可能性があります。

以上、オチなし。

永遠の旅行者〈上〉 (幻冬舎文庫)

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