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恋と軍艦 / 西炯子(1)-(7)、28歳年上の町長に恋した複雑な家庭を持つ中学1年生が町おこしに奮闘

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恋と軍艦(7) (講談社コミックスなかよし)

これまで比較的年齢層の高い人たちに向けたマンガを描いてきた西炯子先生が、小中学生の女子が主な読者層である「なかよし」に連載している「恋と軍艦」。

主人公の遠藤香菜は、両親の不仲が原因で東京から祖母の暮らす小舟町に引っ越してきた中学1年生。ネタバレでもなんでもなく、最初から堂々と28歳年上の町長に片思いしています。

舞台となる小舟町は、戦時中に軍艦の部品工場を作るかどうかで町の住民が受け入れと反対で真っ二つに分かれてしまい、工場が作られた後は受け入れ賛成派が裕福になったことで現在に至るそのときの軋轢は残ったまま。ちなみに香菜が恋している町長は、工場受け入れ時の町長の孫というなんとも反感を買いやすいポジション。

このマンガ、ざっくりあらすじを書きだしてみても、小中学生向けとはという枠にとどまらない実弾が飛び交っています。過酷な環境ながら、そんなことは微塵も感じさせない鈍感力を見せる香菜がすごすぎる。

7巻までのあらすじと感想(ネタバレ注意)

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町長と親しくなって、その町長の友人であるマンガ家の入市アレクサンドルと親しくなりますが、入市と町長の関係はどう見てもアレ。同じ香水を使って、バスローブは共有。ほぼ半同棲と言って差し支えない仲良しっぷりなんですが、香菜の目には男同士の2人が恋愛関係かも、なんて考えは微塵もありません。むしろ香菜のクラスメイトである篠原晶の方がそのことに気づいて悶々としています。

両親は不仲で母親は単身上海にわたって仕事をしているんですが、この両親も香菜に精神的ダメージを与えてきます。母親から久しぶりに連絡が来てオシャレな服が送られてきたかと思ったら、サイズが小さすぎて全部着られない。東京に居る父親に会いに行ったら、離婚していないにも関わらず彼女を連れてきていて顔を合わせることになってしまったり。

小舟町は、典型的な産業空洞化と過疎化が進行している町ですが、そんな中で町長は外資系の工場誘致やドラマ・映画のロケ地になるといったお手本のような地方活性化の方策を打ち出していきます。もちろん反発も大きく、町長と親しくしているという理由で中学1年生の香菜が晩ご飯のおかずを売ってもらえなかったりするという殺伐とした日常風景も展開されます。

工場誘致には香菜も反対で、自分たちで小舟町を活性化させることはできないだろうかと考え、町おこし動画をYouTubeに投稿し、小舟町の美味しい特産品をネット販売する事業「こぼの実クラブ」を立ち上げ*1、大人が腰を抜かすほどの売上を叩き出します。

「こぼの実クラブ」が有名になってしまったことで工場誘致が表立って進めにくくなってきた所で、町長の秘書山下が暴走を始めます。そもそも町長が入市と仲違いした時に、町長と秘書という関係ですぐさま再び男同士の半同棲生活を開始したという伏線がありますが、この山下ももちろんソッチ。町長を思うあまり、こぼの実クラブに架空発注や大量のクレームという大人とは思えない妨害を見せ始めます。そのことを入市に看破されて、町長からクビを叩きつけられると今度は町長と入市がただならぬ関係であるという事をビラを巻いて暴露。町民のリコールの機運を高めていきます。さらにそのビラをこぼの実クラブの仕業に見せかけようとする悪意まで見せます。

大人が「今日は会社休みます」みたいなイケメンと金持ちにチヤホヤされるマンガを読んでニヤニヤしているのに、小中学生がこんなタフな逆風と戦う物語を読んでいるとは。

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すごく面白いんですけど、あまりにしんどい展開が多いんで、実写化やアニメ化みたいなメディアミックスは難しそうですね。

恋と軍艦(7) (なかよしコミックス)

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恋と軍艦(1) (なかよしコミックス)

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恋と軍艦(2) (なかよしコミックス)

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*1:YouTubeの動画投稿やWebサイト立ち上げは全部、香菜たちに共感した東大生が一気にやってしまって、香菜たちが意図したものではない

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