コウノドリは医療マンガです。新しい点は、産婦人科に焦点を当てているという点でしょうか。主役の鴻鳥(コウノトリ)サクラは、児童養護施設出身の産婦人科医であり、有名ジャズピアニストの「ベイビー」というもうひとつの顔も持っています。
妊娠・出産は、現代でも母子を命の危険に晒すものであり、保険も利きません。様々な妊婦と、その家族が出てきます。出産まで診察を受けない野良妊婦、未成年の妊娠・中絶、帝王切開と自然分娩、妊婦の喫煙などなど。
サクラは、優れた医者であり患者に対してはやさしいですが、あくまで医者として患者がおかしい場合は厳しく対処してきます。主役と言うよりも狂言回しと言ったほうが的確かもしれません。
同じ病院に務める下屋は、ベイビーのファンですが、サクラが演奏しているときは(サクラが休みなので)必ず当直になるという悲しい役回り。
私が一番グッと来たのは、風疹の話の時ですね。日本人男性は、風疹の予防接種を受けていない人がたくさん居ます。風疹が妊婦に移ると、生まれてくる赤ちゃんが重い障害を背負うことがあります。病気事態は大したことないんですけど、何の罪もない赤ちゃんが障害を背負わされるのは堪りません。私の会社でも、風疹の予防接種に補助が出ていました。一見意識が高いように見えましたけど、対象が女性社員と男性社員の配偶者だけだったのを見てガックリ来たのを覚えています。それじゃダメなんですよ。
5巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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5巻は3つの話です。立会い出産と双子、卵子提供。双子の話は勉強になります。医者から見るとDD, MM, MDの3種類あり、胎盤や膜を共有したり別々に持っていたりするかどうかで区別するんですね。それぞれ出産における危険度が変わると。この知識、役に立つ時が来るんでしょうか。
胎児が小さい場合もあるんで、新生児科医の待機が必要になるんですね。そういえば、私の職場の先輩も、双子であることがわかると「うちでは見れない」ということでちょっと大きい産婦人科に移らされたと言ってましたね。生まれて並んでるところを見ると、可愛いですよね、双子。
次のテーマは卵子提供ですが、隠れたテーマは高齢の妊娠出産ですね。前振りとして、高齢の初めて妊娠した女性が、仕事のことを考えて中絶を迷うシーンが出てきます。その後、妊娠を諦めきれず、アメリカで卵子提供を受けた45歳の妊婦が登場。
体外受精4回目にして、妊娠しましたが、両親には卵子提供のことを話せていないんですね。もちろん、日本では認められていませんもんね。重いテーマです。マンガでは、重い出産となり、赤ちゃんが無事生まれた後も出血が止まらず子宮摘出になってました。やはり、高齢での出産で母体に大きな負担がかかるというのは真実ですよね。妊娠は若いほうがいいという事実は覆せません。
6巻は「子宮外妊娠」「性感染症」「口唇口蓋裂」を収録予定。おまけマンガの極道助産師コマッちゃん!がありました。土田世紀風のギャグマンガですね。
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