予知能力を持つ少女の遠山遥と対犯罪者組織エレメンツ・ネットワークに所属する盲目の剣士・土方護が、犯罪者たちと戦う「死がふたりを分かつまで」。
テロ輸出国家デュハナを支配するザシド・トゥルス大佐を討つため、それぞれ別の道から作戦を展開していく遥と土方。息子のミサルトを捕らえ、ミサルトの通信回線から直接対決を申し出た土方でしたが、遥は土方が負けることを予知して自らザシドのもとに下ります。
10年もの長期連載でしたが、26巻で最終巻となりました。
26巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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遥を手にしたザシドですが、ザシドの子を妊娠したりクローンを作ったりしても、予知能力を受け継ぐ後継者となる可能性は1%にも満たないと冷静に推察していました。「弱小国を先進国から守るには優秀な指導者が必要だ」「ザシド・トゥルス未満の人材ではガルボアとデュハナは食いつぶされて終わる」と話し、ただの独裁者ではない野心的な一面を見せます。
護やワイズマン、ミサルトたちは各々ザシドを打倒するために着々と準備を進めていきますが、遥はザシドに予知能力でその企みのすべてを伝えてしまいます。しかしそれだけではなく、ザシドの命令を受けた遥は一人の犠牲者も出すことなくミサルトたちを捕らえ、ザシドに予知の凄さを知らしめます。
ミサルトたちの処刑イベントに、護やワイズマン、ジーニ、ギドにエジーや西側諸国のエージェントといったすべての抵抗勢力が招待されます。「最後に勝ち残った10名に私への挑戦権を与える」という超上から目線の呼びかけで始まるバトルロイヤル。ザシドはこのイベントで力を見せつけて、遥を完全に屈服させて自分の配下とするのが狙いでした。全員でザシドを倒しにかかればいいんじゃないの?という私の無粋なツッコミを入れたくなったところで、ザシドが単独で戦場に出ていきます。圧倒的な強さを見せつけて、主要キャラを倒したところで満を持して護の登場。
1対1の対決というところは前回と同じですが、護の負傷は感知していません。他には遥の予知で持たされたと思われる前回とは違う刀。遥にも予知できていなかった戦いの結末は、護の勝利に終わります。護が何万回と繰り返してきた打ち込みで積み上げられた斬りこみの瞬間に、量子的な確率の変動が起こって越えられない壁を越えたとかいう謎の説明でした。
ザシドは、護と遥に敗れたことを認め、後継者をジーニに託します。遥には、ガルボアとデュハナのマネジメントを請い、遥はその申し出を受けます。最終回は7年後、仏頂面ではありますが結婚式を挙げる護と遥の姿がありました。天涯孤独になったと思われていた遥の祖母も参列。
ハッピーエンドで終わってよかったんですが、突如始まったバトルロイヤルといい、最後にザシドを倒した謎の量子的な確率変動の説明といい、やっつけ感を感じたのは私だけかな? まあ、もともとそういうマンガだったのかもしれません。DOUBLE-S先生の次回作を楽しみにしています。
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