「男がスカートをはく」、そんな非日常から回り始める世界。思春期の男女や大人たちを巻き込んで、固定観念に捕らわれたファッションを問いかけます。といっても、そんな小難しい話じゃなくて、それぞれが思い悩んで次の一歩を踏み出す様子が空き歩く描かれているので、軽い気持ちで読み始められるマンガです。読後感がさわやかでオススメな一作。
キャラクター紹介
名前 | 説明 |
---|---|
桃井太一 | る日見かけたスカートのおっさんのカッコよさに惚れこみ、学校にスカートをはいてくる。 |
水先輩 | 桃井の1学年上の彼女。桃井のスカート姿を受け入れられない。 |
白井さん | 桃井のクラスメートの女子。桃井と一緒にスカートを買いに行く。 |
あらすじと感想(ネタバレ注意)
広告
ある日、突然スカートをはいてきた桃井。すぐさま先生たちに呼び出され、スカートは没収されて、ジャージで1日を過ごします。張れ者扱いになった桃井と水先輩が話しているのを見た後、桃井に話しかける白井さん。
白井さんは、桃井がスカートのウエストを自分で直していることに気付いていました。そのことで話しかけた後、一緒にスカートを買いに行くことになります。
「おれ今までスカートは女しか穿いちゃダメだと思ってたけど、ぜんぜんそんなことなかったんだ」
「ただおれは、おれのままでスカートを穿いて歩ききたかっただけ」
あっさり他人事風にうけとめた母と違い、桃井の父は深刻に悩み始めます。息子が性ドーイツなんとかなことを心配しちゃったり。しかし、息子の答えは「ただ穿きかったから穿いただけ」というもの。
桃井と白井さんが一緒にスカートを買い、帰りにスカートを穿いているところを目撃してしまう父。桃井は先に帰ってしまい、へたりこんだ父に白井さんが話しかけます。
「もうあいつのことがわからん・・・」
「わかんない?わかりたくないんじゃなくて?」
その日、帰ってきた父の格好はなんとスカート。桃井の気持ちを理解しようとしたということですが、白井に選んでもらったスカートを着こなす父はどこか嬉しそう。
学校→家庭と来て、次の舞台はふたたび学校。文化祭の催し物で、クラスの男子が女装カフェを提案します。クラスのアイコンとして、スカート少年の桃井を祭り上げ、制服の自由化にまで発想が良くクラスメートたち。その中で、桃井がスカートを穿いてきたのを「女の子になりたい」「性同一性障害」といったカテゴリに当てはめようとしてきたことに不快感を感じて不登校になります。風邪で自分がいない間にそんなことになっていたと知った白井さんは激怒。
桃井の気持ちはやっぱり、かっこいいからスカートを穿きたかっただけ、というシンプルなもの。それをおかしいと考えてしまう固定観念がやっぱりあります。そんなクラスメートたちも、桃井のことをわかりたい、という態度で理由を決めつけようとしたのが傲慢だったと謝ってきてめでたしとなります。
桃井がスカートをかっこいいと思うきっかけになった男性を発見して、スカートの理由を尋ねると、返ってきた答えは「仕事だから」。某アパレルブランドの依頼で、男性用スカートについて市場調査するために、自分でスカートを穿いて周囲の態度を調査していました。
「服というものは一種の暴力」
「暗黙のルールで自分を縛っている人間にとって、そこからはみ出したものは常に『異端』であり『脅威』だ」
その言葉を受け入れた後で、スカートを穿きたいという気持ちはやっぱり止められないと話す桃井に、男性はそのどうしようもない気持ちはどちらも同じだ、ということを指摘します。
文化祭当日、桃井たちのクラスが出したのは女装カフェではなくスカート体験カフェ。なかなか盛況で、男性教師まで巻き込んでみんながスカートになったコマは違和感たっぷりですが、面白い。
桃井と白井さんが前面に出てきていますが、スカートを穿いた彼氏の横を歩けないという水先輩の葛藤もなかなかもどかしくて愛らしい。
女装というくくりじゃなく、ファッションとしてのカッコよさから男性がスカートを穿く、という選択肢が思い浮かばないので頭にガツンときます。だけど、重いテーマではなくみんな青春していてさらりと描かれていて、読後感はさわやか。おススメの1冊です。
- 作者: 鳥野しの
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2016/04/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 鳥野しの
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2015/06/08
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
関連エントリ
広告
12月2日発売の注目マンガ
- 作者: 村田雄介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 村田雄介,ONE
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (7件) を見る
- 作者: ONE,村田雄介
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/31
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 葦原大介
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (8件) を見る
ワールドトリガー 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 葦原大介
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
葦原先生の体調は大丈夫なんでしょうか。
背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 8 (ジャンプコミックス)
- 作者: 横田卓馬
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (5件) を見る
背すじをピン!と?鹿高競技ダンス部へようこそ? 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 横田卓馬
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 吾峠呼世晴
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (5件) を見る
- 作者: 吾峠呼世晴
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 出水ぽすか,白井カイウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (4件) を見る
約束のネバーランド 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 白井カイウ,出水ぽすか
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 藤本タツキ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: 藤本タツキ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 福田健太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 福田健太郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/12/02
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
画力が超絶上がったというアレ。