Smoking Gun 民間科捜研調査員流田縁 / 横幕智裕 / 竹谷州史(1)-(9)、最終巻が出る前にあらすじのおさらい

「Smoking Gun 民間科捜研調査員流田縁」の最終10巻が明日1/19に発売ですね。残念ながら視聴率は振るわなかったみたいですが、香取慎吾主演でドラマ化もしました。

タイトルの「スモーキングガン」は、銃から出る硝煙で決定的証拠を示す決め台詞に使われています。タイトルにもあるように警察とは違う民間科捜研で調査員として働く流田縁(ながれたえにし)の話。異常なまでのドーナツ好きで、ドーナツの穴を通して証拠を発見するのがお決まり。

様々な依頼をこなしつつ、本編とも言える恋人が殺された謎を追うというのが基本ストーリー。話をややこしくしてるのは、恋人が殺される前後12時間の記憶だけが縁から抜け落ちているという部分ですね。

10巻発売前に、本編ストーリーをおさらいしておきます。

9巻までのあらすじと感想(ネタバレ注意)

3年前、警視庁の科捜研で働いていた流田縁は、後輩の長友エミリと付き合っていました。そのエミリは、仙台市の倉庫で遺体となって発見されました。現場に倒れていたのは縁。しかし、縁にはその12時間の記憶だけがすっぽりと抜け落ちていました。

容疑者として疑われたこともあり、警視庁を退職した縁は民間の科捜研である千代田科学捜査研究所で働き始めます。働きながら失われた12時間の謎とエミリを殺した犯人を追う縁。そんな中、千代田研の署長である千代田真紀が殺害されます。解散となる千代田研。その後、一緒に働いていたメンバーを集めながら、再度捜査を再開していきます。千代田真紀が殺される前後のセリフや描写から、エミリ殺害事件と関係していることは明白でした。

エミリの過去を追うと、かつて大学時代に一ノ瀬研究室に在籍していたことがわかります。その研究室の関係者の現在は驚くべきもの。まずは筆頭の一ノ瀬教授の自殺。准教授だった楠神多聞は、ビル火災で焼死。助教の大島は失踪。学生だった藤春獏人は刑務所の中。

一ノ瀬研が崩壊するきっかけとなったのは、楠神の研究が原因でした。楠神が新たに開発した遺伝子組み換え小麦は、従来の常識を根本から覆す2倍もの収量を誇る品種。しかし、その小麦には常習性を発揮する物質が含まれていました。この小麦に目を付けたのが、世界最大の種苗メーカーのバーベル社。しかし、結局研究は頓挫して一ノ瀬研は解散していました。一ノ瀬教授はその小麦の危険性に警鐘を鳴らして、研究を中止するよう楠神に求めていました。

縁は、この研究室メンバーの行方について調査し、次々に事実を明らかにしていきます。

一ノ瀬教授の自殺は、実際には他殺で首吊りを強制されたこと
研究成果を持ちだしてバーベル社に持ち込んだのは大島
一ノ瀬教授は、無理矢理欠かされ対処の中に犯人である大島を指し示すキーワードを入れていたこと

ここにきて、警察を動かし、犯人と思われる大島を指名手配します。そして、縁に接触してくる大島。なんと、最初期から登場してきて縁のドーナツをパクって行ってたホームレスのおっさんでした。すべてを話すといい、縁を公演に呼び出すも、そこには遺書を残して自殺した大島がいました。その遺書には、エミリや一ノ瀬殺害について書かれていました。これにて一見落着かに見えましたが、この大島の自殺もまた真犯人の暗躍によるものでした。

真犯人は、焼死したはずの楠神多聞。楠神には双子の我聞がいました。我聞の死体を使って自分の死を欺いていました。そして、大島を裏から操りエミリと一ノ瀬教授殺害の糸を引いていました。目的は、小麦の危険性の反証データの消去。そのデータが公開されればバーベル社で行なっている小麦の実用化計画が破綻してしまいます。

数々の決定的証拠から、ここまでの真実に至った縁。そして、整形手術により顔を変えていた楠神を仙台の倉庫に呼び出します。彼のDNAと、今まで何度も登場していた人物のDNAが一致した証拠を突きつけます。その相手は、千代田真紀の兄圭一郎。何らかの理由でくるみの持つぬいぐるみを持ち去った後で、アメリカで殺されたシーンはミスリーディングでした。その時殺された本人と、ぬいぐるみを持ち去った圭一郎が別人だったわけですね。

完結の10巻。やはり焦点は反証データの行方でしょう。圭一郎は何度も怪しい表情で出てきてましたけど、楠神だったとは。たしかに髪型や背格好は同じ。