時間島 / 椙本孝思 / 松枝尚嗣、孤島で起こる連続殺人事件にタイムスリップ要素をミックス

椙本孝思先生の原作小説を松枝尚嗣先生が漫画化。ミイラ男の表紙が目を引きます。内容はというと、孤島の連続殺人モノ。サスペンスにタイムマシンネタを絡めてきます。

キャラクター紹介

キャラ名	説明
佐倉準	アルバイトAD、主人公であり物語は佐倉視点で進む
箱馬寛作	プロデューサー
及川遼子	青葉まゆのマネージャー
南亮太	音声担当スタッフ
多可津ひろし	構成作家
脇田新一郎	フリーTVディレクター兼カメラマン
川本コージ	お笑い芸人
岩瀬功	俳優
青葉まゆ	アイドルタレント

あらすじと感想(ネタバレ注意)

人気の深夜番組「オススメ！廃墟探訪」の撮影で、三重県伊勢志摩からさらに南に海を渡ったところにある矢郷島に訪れたスタッフと芸能人たち。矢郷島は「忘れな池」と呼ばれる落ちれば5年は発見されない年月を忘れる池があるという伝承から時間島とも呼ばれる島でした。精錬所と集合住宅がありましたが現在は無人島で、その集合住宅が現在は廃墟となっています。

佐倉が多可津と2人でかつて金山だったところにロケハンに行った時に、会社から支給されていた携帯を落としてしまいます。その後、自分の私用携帯に行けに落としたはずの携帯から動画付きメールが送られてきます。写っていたのは片腕のないミイラ男。ミイラ男は「私は5年後の未来から、このメールを送っている」「お前たちは全員殺される」と語ります。

ミイラ男の予告通り地震が起こり、建物の崩落に巻き込まれて岩瀬が死にます。これで撮影は中止かと思いきや、監督の箱馬は収録を続行。岩瀬の追悼作に仕立てようとします。佐倉のもとには再びミイラ男から動画付きメール。ミイラ男は正体を明かせないといい、犯人が誰なのか記憶が欠落していると言います。

次の犠牲者は多可津。叫び声が聞こえたかと思うと、崖から海に落ちて行方がわからなくなります。その夜、箱馬は背中を何者かに刺されて死亡。翌日、再びミイラ男からメールを受診して、次の地震がタイムリミットになり全員が死亡することが告げられます。そして、次に死んだのは南。廃墟の屋上でガソリンをかぶって焼死します。

動画付きメールでミイラ男は佐倉に正体を明かします。ここまでミイラ男と書いていましたが、その正体は男ではなく女の青葉まゆ。5年後の青葉まゆと語るその女は、皆の命日に母と訪れた海岸で佐倉の携帯を見つけ、ムービーを撮影してメールを送り続けていたと語ります。「諦めないで」「未来は変えられる」という言葉を受けて、佐倉は真犯人を探しだして悲劇を止めることを決意。

次の日、脇田が及川を絞殺しているところを見つけ、後ろから脇田を殴ります。その衝撃で脇田は死亡。及川もすでに脇田に殺されていました。そして、コージも何者かに刺されて殺されます。佐倉は、南が盗撮に使っていたビデオを見つけ、裏で殺人を行なっていた人物を突き止めます。2人目に死んだと思われていた多可津は生きていて、見つからないように行動しつつ殺人を働いていました。その多可津を佐倉が刺し殺したところで地震が起きて佐倉も死ぬことになります。一人生き残ったまゆに、5年後自分の携帯を拾うはずだから、この殺人を止めるために真相を送って欲しいと伝えます。死ぬ直前に南の携帯を見ると、自分と同じようにミイラ男からのメッセージが残っていました。中身は、自分に送られたのと全く違うもの。

5年後、たくさんの監修が見る中、舞台挨拶をする演技派女優青葉まゆの姿がありました。青葉まゆは佐倉の言葉を思い出し、志摩の海岸を歩いていた時に佐倉の携帯を拾います。その携帯から5年前の「オススメ！廃墟探訪」スタッフ・メンバーに向けて、それぞれに動画付きメール作ります。目的は、未来を変えないように、あのときの連続殺人を完結させること。佐倉にはここまでのストーリーで示されたメッセージを、他のメンバーにも疑心暗鬼を煽るようにそれぞれの行動を操作するメッセージを送ります。

予定調和でうまくハマっているように見えて、5年後の携帯から5年前のみんなにメッセージを送る、という部分が意味不明ですね。実際にはどんなタイミングでどんな動画を受信していたかしらないはずの青葉まゆが、ぴったり自分が知らない間の全員の行動をコントロールできるメッセージを遅れたのもそうですが、何よりも時系列にメッセージを遅れるという部分が説明が付かなさすぎる。やってることはFF1のガーランドっぽいイメージなんですが、ちょっと拙いオチが待っていました。