サブタイトルに「謎の密室指令麻雀」とあるように、近代麻雀連載の麻雀マンガ。
記憶喪失の主人公、理由もわからず密室に集められた4人の男女、麻雀卓と局ごとに下される謎の指令。そして麻雀の様子をカメラで監視する男たち。サスペンス風に様々な真実が明らかになっていき、よくわからない肩透かしの結末を迎えます。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
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小野寺達也が目覚めると地下室の中でした。ここから出たければ、「麻雀を打つこと」「指令所に従うこと」と言われます。指令を遂行できたもののみが出られるということで理由もわからず小野寺と同じように連れてこられていた3人と麻雀を始めます。
麻雀などやったこともない小野寺に下された指令は「対面にマンガンを振り込め」というもの。いざ局が始まると、ルールを知らないはずでしたが、頭の中に麻雀用語が出てきてすぐさま順応していきます。ホウテイで対面の七対子ドラドラに振り込んで、指令を達成する小野寺。麻雀について考えるたびにひどい頭痛に苛まれます。
この麻雀の様子を監視しているのは大財閥である城内コンツェルンの総帥城内貴重(たかしげ)。半年前に孫娘である城内鈴鹿を左利きの何者かに殺されていました。
指令をこなしているうちに、違和感を抱きはじめる小野寺。自分と同じように集められた3人ということでしたが、3人ともグルで城内の命令で麻雀を打っていました。
警察が犯人を逮捕して法の裁きを受けさせるだけでは足りないと考えた城内貴重は、独自に犯人と目される霧神龍也を捕らえようとしていました。あと一歩というところで、霧神を運転ミスで事故によりひき殺してしまったのが小野寺。城内貴重は、霧神の脳を小野寺に移植させます。
麻雀を小野寺に打たせていたのは、伝説の雀士で猟奇殺人者である霧神を目覚めさせるため。小野寺は、霧神でしかできないであろうすり替えの暗技を見せて、嶺上開花で上がれという激難指令を大三元で上がってクリアします。麻雀の最中に、監視している城内のもとに部下から報告が上がってきます。孫娘の鈴鹿が大学で交際していた相手は小野寺でした。娘の恋人になんてことをしてしまったんだと悔いる貴重の息子で鈴鹿の父である貴之。貴重は貴之を軟弱と断じて、霧神への復讐を続行すると言います。
小野寺以外の参加者は、城内銀行の金を横領した元社員でした。1人が貴之と交代して指令麻雀を続行。半荘一回勝負で三万原点でプラスになった人だけが部屋から出られるというルールに。もはやなぜ麻雀をしているのかわからなくなってきますが、貴重は麻雀の豪運までも脳移植で引き継いだ小野寺を見て、不老不死の可能性に目を輝かせます。この麻雀の敗者に、自分の脳を移植する腹積もり。
一方、麻雀を行っている島の外では、警察の捜査が進んでいました。霧神をひき殺し、恋人である鈴鹿を失った小野寺は、過去に母と叔母を亡くしていましたが、自殺に見せかけた他殺の可能性がありました。小野寺の体で肝心に自分の人格を取り戻した霧神は、鈴鹿を殺したのは自分ではないと言います。監視カメラを壊し、部屋に入ってきた貴重の部下を襲い、地下室から出たところで自分の顔を見てパニックに陥る霧神人格の小野寺。
鈴鹿を殺したのは霧神ではなく小野寺で、その殺しを目撃した霧神が小野寺を脅迫していました。虐待されていた小野寺は、母を殺そうとし、母にそっくりだった恋人の鈴鹿もその手にかけていました。脳の中でぶつかり合い、肉体の支配権を争う小野寺と霧神。その戦いに勝った小野寺は、自殺を選びます。
脳移植で記憶を目覚めさせるために麻雀を打たせるまではまあいいとして、なぜ指令麻雀の形にしたのか意味不明になっちゃいました。娘を殺した男、というのが読者に明らかになった段階で、指令をこなしても脱出とは何の関係もないのでややしらけ気味に。しかし、訳がわからない要素をいろいろ煮詰めることで笑えるマンガになっています。唐突に不老不死とか言い出しちゃう貴重、ヒ素で母を殺したのに恋人はナイフで反抗に及んで罪を着せようとする小野寺の雑っぷり。
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