いじめをテーマにした衝撃のエレメンタリー・サスペンス!なマンガ。全7巻で完結、1〜5巻が小学4年生編、6,7巻が後日談<蝕>の中学1年生編。このエントリは1巻から5巻までのあらすじと感想です。
舞台は赤ヶ瀬小学校4年2組、30人の生徒が男女混合50音順で全キャラクターに設定があります。イジメの首謀者、取り巻き、先生に至るまでかなりクレイジーな環境で、様々なキャラクターの視点から描かれる群像劇となっています。
カリスマ的なイジメの首謀者や、「かいぼう」と称した性的なイジメ、恥ずかしい写真をスマホに収めての脅迫など、中高生向けでいいのかと思われるくらいハードなイジメ描写、そんなことは微塵も感じさせない明るい表紙。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
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赤ヶ瀬小学校4年2組に後堂理花が転校してくる第一話から。不安になっていたところ、可愛い容姿の蜂屋あいに話しかけられ仲良くなります。蜂屋あいは、ソラというわんこが夏休みの前に死んでしまったと悲しそうに話します。「ソラのかわりにあいちゃんを元気にしてあげる!」と約束した理花が翌日登校すると、「ソラ」というネームプレートのついた首輪を着けられます。「わんこ」はイジメの対象、「ソラ」は夏休み前にイジメを苦にして自殺した曽良野まりあのこと。ここから理花に対する壮絶なイジメがスタート。
暴力を振るわれ、首輪を付けたまま四つん這いで歩くことや、犬のエサを食べることを強制される理花。理花へのいじめをやめさせようとした浜上優が動いたことで、今度は浜上優がわんこに。「かいぼう」と称した性的なイジメの対象に成る優。
4年2組の様子がおかしいと感づく4年3組の担任野呂瀬弘は、2組の担任である木戸桃子に訴えますがまったく聞き入れられません。盲目的に生徒たちを天使であると信じて、いじめ問題を提起した野呂瀬へ憎悪の感情を抱いた木戸桃子は、他の教師や校長と肉体関係になり、野呂瀬の立場を悪くするというぶっ飛びっぷり。その野呂瀬は、「かいぼう」で裸にされた優を抱きしめて慰めているところを波多部隼人に写真に取られ、淫行教師として休職に追い込まれます。
ここに至って、勉強もスポーツも抜群ながら孤高の存在だった光本菜々芽が、いじめの首謀者である蜂屋あいに立ち向かいます。菜々芽に叱責された隼人も、イジメに立ち向かう決心をします。しかし心を病んだ優が不登校となった後は、隼人が次なるわんこに。
菜々芽はわんこにこそならないものの、小学生とは思えないほど壮絶な戦いに放り込まれます。はっきりとは描かれませんが、何らかの細工により交通事故に。そこから生還すると野外実習では、蜂屋を盲信する更田千尋に崖から突き落とされます。九死に一生を得た菜々芽は、ソラ(曽良野)の亡霊を目撃。
ソラの真相を追う菜々芽がたどり着いた人物は中西健太。ソラが死の直前に校舎の裏にあるものを埋めていたことを知っていましたが、そのソラがイジメられるきっかけを作った人物が菜々芽であったことから、これまで裏から菜々芽を攻撃していました。菜々芽の後悔を知って、校舎の裏にある秘密を教えます。タイトルにある「校舎の裏には天使が埋められている」というのはソラの残した絵日記のタイトル。校舎の裏にあったのは、決定的なイジメの証拠となるテープ、そして飛び降りのときにソラを見殺しにしたのが近藤泉であるという事実。
野外での写生実習で、とうとう決着の時。野呂瀬の後任となった目代明日香が、イジメが録音されたテープを木戸に突きつけます。美術館の一室で対峙する菜々芽と近藤、蜂屋と関。菜々芽を刺そうとした関を止めて、自分が刺される近藤。近藤は刺されたナイフで蜂屋を刺そうとしますが、関がそれをかばいます。とうとう2人で対峙する菜々芽と蜂屋。一方、菜々芽殺害に失敗した更田は、蜂屋に処罰をくだされることを恐れて美術館に放火。イジメの首謀者にして、圧倒的なカリスマである蜂屋は、その人の色が見えるという独特の能力の持ち主。父から「お前には色がない」と言われて、喪失感を味わった過去があります。燃え上がる青の菜々芽を歓迎する蜂屋。「菜々芽ちゃんの色ちょうだい」と言い、隠し部屋のアトリエにあった穴に飛び込む二人。燃え上がる美術館に飛び込んだ木戸は、近藤と関の2人を助けて亡くなります。ある意味自分の意志に準じて幸福な最後を遂げた担任。
エピローグで、菜々芽が大怪我を負うも無事だったことが知らされます。野呂瀬は疑いが晴れて4年3組の担任として復帰。目代が2組の担任に。お互い刺し合うことになった関と近藤も無事であったことが語られますが、肝心の蜂屋がどうなったかは描かれませんでした。ともあれイジメはなくなり、ハッピーエンドですね。火事で亡くなっていないなら更田の今後の人格が心配ですが。
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