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コンプレックス・エイジ / 佐久間結衣(6)、オーダーメイド衣装制作会社の開業に至る最終巻

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コンプレックス・エイジ(6)

20代半ばのレイヤーの生きづらさをえがく佐久間結衣先生のマンガ。主人公の片浦渚26歳に数々の試練が襲いかかります。

高校時代からずっと一緒にコスプレをやってきた公子が結婚を機にやめることを口走り、本音を確かめるために仙台へ。そこで、公子がコスプレをやめるのは渚ととうてい同じレベルでコスプレをすることができないほどに、渚が先を走っていることに気づいたから、ということを理解します。

公子が結婚してコスプレをやめることになるも自分は続ける、ということを母親に話していると、母の友達のノリおばさんが話題に登場。なんと、60歳を超えてなおゴスロリと楽しんでいるという強者。そのノリおばさんと会うことに。

6巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

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ノリおばさんは40歳までゴスロリをまとっていたという猛者。現在は趣味が高じたアンティークショップを経営しています。ノリおばさんは、渚の母がロリータファッションをやめたときに「悲しい」というよりもむしろ「裏切られた」と感じていました。そこから深みにはまって、子育てに手を取られていく佐和子と対照的に、自分のお金と時間を趣味につぎ込んでいました。そして趣味を仕事としてショップ経営に。「あなたの好きはどれくらい?」「お友達がやめたぐらいで揺らぐものじゃないんじゃない?」という大ベテランのお言葉。

私にとってコスプレってなんだろうと逡巡しつつも、ウルルの服にハサミをかける渚。一度コスプレを休んだ生活をしてみようとしますが、気がつくと足はユザワヤに向かっていました。

www.yuzawaya.co.jp

コスプレの何が好きなのか、それを知るため今まで足を運ばなかったようなコスプレイベントにも顔を出します。そこで気づいたのは、コスプレに関わる様々な人たちがいるということ。男性に注目されようと露出に走るレイヤーや、レイヤーのモデル、コスプレ写真集の販売などなど。一歩離れてみた時に、衣装のどこが悪いのか、どう直せばいいのか直感的に判断できることに気づきます。

ハサミを入れたウルルのコスプレを修復して思い出としてしまい、何かに取り組み始めた渚。会社でも活き活きと仕事をするようになります。しかし、社内ではキャバクラでバイトしているのを見たという噂が。意外と面倒見のいい長谷課長が心配して歓楽街を回って見つけた渚は、コスプレキャバクラで副業バイトしていました。客として訪れた長谷課長のテーブルに付くことになって凍りつく渚。しかし、古いゲームキャラのコスプレに気づいて興奮する長谷の笑顔にドキッとするシーンも。

そこから6ヶ月が過ぎ、家では渚が母も巻き込んで何かを製作中。出来上がったのは、公子のウエディングドレスでした。そして両親に家を出ようと思っていることを話します。公子のドレス姿を見て感極まって泣く渚、これが自分が最もやりたかったことなんだと確信します。

そこから一気にエピローグへ。死にものぐるいで働きながら、2年間服飾の専門学校に通い、オーダーメイドの衣装制作会社を開業するに至っていました。葉山さんが外回りの営業を、渚が製作を担当します。「好きは呪いだ」と呟きながらも、心から打ち込める仕事を見つけ輝いている様子は素敵ですね。いい終わり方、と思ったらさらに20ページの描き下ろしマンガがありました。開業祝いに長谷が訪れるシーン。クールにお祝いを述べて出ていこうとする長谷を呼び止めて渚がデートに誘おうとします。ここでも一歩踏み出していますね。そうなることを見越して眺めに営業渡渉したサボりに出ていた葉山さん。公子の夫婦には子供が生まれていて、名前は純。渚が作ったガラガラを愛用しているみたい。

仕事に恋に積極的に踏み出すという気持ちのいい終わり方。ハッピーエンドというかハッピーエンドに向かう明るい途中という感じがすごくいいですね。各話の間にこの連載に至るまでのエピソードが散りばめられていて、初連載がどれだけドタバタで大変だったかが伝わってきます。佐久間先生の次回作が楽しみ。

コンプレックス・エイジ(6)

コンプレックス・エイジ(6)

コンプレックス・エイジ(6)<完> (モーニング KC)

コンプレックス・エイジ(6)<完> (モーニング KC)

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