弱虫ペダルのスピンオフ作品。インターハイを戦う本編とは違って、各キャラクターの過去に焦点を当てています。1巻では、高校入学直後の巻島、中学3年生の新開隼人と福富寿一、中学生時代の東堂が登場しました。
2巻では、表紙にもなっている荒北、中学2年生の金城が描かれます。荒北が自転車競技部に入部するまでのエピソードは本編で出てきましたが、その続きですね。金城はこれまで完全に謎だった過去が明らかになります。総北入部時点で金城だけは別格に出きる奴扱いでしたからね。
2巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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荒北靖友
福富に敗れ、リーゼントをバッサリと切り落として荒北は、超初心者ではありますがインターハイを目指して練習を開始します。福富に命じられた毎日2時間のローラーを文句を言いながらこなす荒北。早くを外を走らせろと言う荒北にさらに3時間のローラーを課します。
荒北が初めてロードで外を走ったのは、なんとレース本番でした。これも福富の采配。まったく勝手が判らず緊張を見せる荒北が初々しい。「何かわからないことがあれば、前を走っている俺に聞きに来い」と福富は言いますが、レースが始まってからずっと先頭集団で走る福富。ということは、福富に話しかけるには先頭まで走っていかないといけません。先頭まで追いついた所で力尽きて倒れますが、そもそもほぼビリから先頭まで走っていけるというだけでかなりのポテンシャルを示していますね。
次のレース、福富は先輩から何位狙いかと聞かれ「2位」と返答。先輩はそれに対して「ムリもない、俺が出るからな」とバカにした物言い。それを聞いてぶち切れる荒北。1位ではなく2位を狙うという福富に我慢がなりませんでした。しかし、福富の狙いは、そのレースで荒北を1位にすることでした。荒北はそのことに気づいていませんが、レースが始まって福富について来いと言われ、必至に食らいついていきます。そして、最期の直線で福富に押されて飛び出し、見事1位をもぎ取ります。
「俺が認めるのは福富だけだ」なんて熱いセリフを話すようになるまでの胸熱エピソードでした。
金城真護
総北がインターハイで優勝したその日、全員が疲れて眠りに入る中、金城が誰かに電話をかけていました。その相手は小関さんという金城が中学時代から憧れ続けていた自転車乗り。
中学生の金城が所属している小さなクラブチームで一番早かった小関さんは、元プロ選手だった社会人。あいさつの仕方から交通ルール、隊列の組み方、手信号に至るまで徹底的に叩きこまれます。小関さんと同じTREKを買うために両親を説得したり。初レースでは小関さんにいいところを見せようと奮闘しますが、最後に弾かれて草むらに飛び込んでしまい61位に終わります。
その小関さんとの別れの日は唐突に訪れます。小関さんが本社にある神戸に転勤となり、最後に一緒に練習するときに伝えられた金城は状況がうまく飲み込めません。そこから無気力になり、これまでずっと小関さんに言われた自分では何一つ決められていなかったことに気付く金城。次のレースで、小関さんの言葉を思い出し、一度落車しますが底から追い上げて60位。順位が上がったことを、電話で小関さんに報告すると「進んだじゃねーか、1歩」という答え。
インターハイ終了後の電話では、優勝したことに対して「オレはわかってた」「おまえは絶対に諦めない男だって」という熱い言葉。このエピソードは金城よりもむしろ小関さんのセリフが暑苦しいくらい熱くていいですね。
このSPARE BIKE、次は誰なんでしょう? 荒北と福富の続きももっと読みたいところ。
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