ボツネタでできているボツコニアンをより良い世界にするために旅する双子のピノとピピ。2人は伝説の長靴の戦士に選ばれたということで、封印の解かれたこの世界に起こる怪異に挑んでいきます。5巻で最終巻となりました。
二軍三国志、ホラーの村をクリアしたピノピが次に迷い込んだのはサンタ・マイラという町。たくさんのロボッチ(と呼ばれるロボット)が人間の代わりに働く町に、サヤインゲンに手足が生えた莢ニンゲンという宇宙人が侵略してきて、莢ニンゲンも2派に分かれていて人間に友好的なスナップエンドウと手を組んだかと思いきや、宇宙人が作りだした異次元を通る物質転送ルートの穴を通って、さらに他の宇宙人がトライポッドを送り込んできます。
あらすじと感想(ネタバレ注意)
宇宙戦争に決着をつけて、回廊図書館への鍵をゲット
次々に出てくるトライポッドに徐々に押されてピンチに陥るピノピの2人。
「こいつら、<ざっと描いてみました>感が増してる感じがしない?」形態も本来のトライポッドから離れていく。二本脚になったり、ボディが四角くなったり、あからさまにミサイルランチャーを装備してたり。これ、もはやボツになったラフスケッチではありません。デザイナーさんの落書きだ。
- 出版社/メーカー: プラッツ
- 発売日: 2014/05/31
- メディア: おもちゃ&ホビー
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窮地を救ったのは、カイ・ロウ博士に仕えていたロボッチのアシモフと郭嘉でした。幽霊の郭嘉の案内のもと、異次元の向こう側に渡ったアシモフが二度と戻れないのも構わず転送ルートを閉じるための非常用ハンドルを操作します。
莢ニンゲンとの話し合いはまだまだ続くようですが、ひとまず一件落着となります。しかし、ボスが出てこなかったのでピノピは今回回廊図書館への鍵をゲットできませんでした。
落ち込んでいる2人でしたが、未だに人間に成りすましている怪しい莢ニンゲンを発見します。こいつをボスということにして、とっちめると予想通り鍵をゲットできます。
回廊図書館で裏技を使って一挙に3冊の伝道の書をゲット、魔王の怒りで落ち物パラダイスに突入
毎回唐突に現れる回廊図書館への扉が今回は頭上から開いたまま落ちてきて、ピノピだけじゃなくその場にいたポーレ君、カイ・ロウ博士、莢ニンゲンも一緒に中に。
伝道の書の3冊目をゲットするんですが、莢ニンゲンはスペアでいいなら自分の体にある豆を使って作れるといいます。その力を使って2つの鍵のスペアを作成して、さらに2冊の伝道の書をゲットします。
そして響き渡る魔王の声、
「合鍵なんてインチキしやがってぇ!」ようやく登場の魔王、初回は音声のみのご出演です。
魔王の怒りで図書館の床が抜けて落ちていく面々、ピノピが落ちたのは最初に出発したフネ村でした。これまでのことを話しつつおばあちゃんの作った料理を食べていると、
落ちた先はアクアテク。久しぶりにモンハン兄弟や忍者たちに会って、魔法が覚えられる巻物ももらい、再び
アクアテクに出現したブラックホールから宇宙コロニーへ
落ち物パラダイスが終わってアクアテクに戻ってくると街中にブラックホールが出現していました。そのブラックホールに飛び込むと、重力装置が暴走している宇宙コロニーにたどり着きます。獲物を狙ってではなく、完全にへばってダラダラとよだれを垂らすエイリアンことヘバリアンに襲われているコロニーの住人たち。
一緒にブラックホールを潜ってきたルイセンコ博士が重力装置の電源を入れなおし、ピノピの2人はクイーン・ヘバリアンの巣に行き、あっという間にエイリアンを倒して卵も焼き払います。戻る時にはピピが変身頭巾をかぶって、作者曰く最強の魔法使いであるマーリンに変身してブラックホールを作り出します。
ラストダンジョン、ためらいの迷宮へ
帰ってくると、今度はブラックホールではなく魔王の仕業かフネ村が消滅していました。トリセツに説明を求めると、ここまで何の伏線もありませんでしたが、トリセツが魔王の側近だったということで闘技場に転送されて、モンスターと戦うことになります。成長したピノピの敵ではありませんでしたが、気付くと闘技場を黒い雲が覆っていて、周囲が暗転したかと思うとピノピの2人は意識を失ってしまいます。
意識を取り戻したピピがいたのは、薄暗い洞窟の中。そこでは魔法は使えません。どこからともなく聞こえてくる女の子の「あんたは永遠に一人ぼっちで、この迷宮を彷徨い続けるの」という声。その声と言い争っていると、異次元の向こうで非常用ハンドルを回しに行ったはずのアシモフと合流します。
一方、ピノは一匹で寂しく泣いていたクトゥルー系の化け物を仲間にしてしまって、壁にめり込んでいたポーレ君も助けて、量子分解銃を手にしたカイ・ロウ博士と莢ニンゲンとも合流します。迷宮を進むピノとピピの前には、門番として最後の戦いに立ち会うと話すルイセンコ博士が姿を現します。呼びかけてくる女の子の声から、ひしひしと感じられる魔王の正体。
最後の戦いはなんと、その門番であるルイセンコ博士が操縦するボッコちゃんとシンクロした「新生ボッコちゃんエヴァン○リオンモード」と。魔王へ続く門の門番という意味でした。これまで習得した魔法も技も全部聞きませんでしたが、双極の双子という設定を思い出し、双極のエネルギーを抑えていたペンダントをはずしてボッコちゃんを吹き飛ばします。そうしてとうとう姿を現す魔王。
蜥蜴のような大きい身体に大きな翼。長くするどい鉤爪。その首の下あたりに、ぽこんと小さな丸窓が空いている。そこから、愛らしい女の子の顔が覗いております。
「着ぐるみだ!」「失礼な!」魔王、甘い声でまたまた叫ぶ。「アニマトロニクスと言いなさい!」
魔王の正体はピノの幼馴染で行方不明になっていた女の子のパレ。父親と母親に捨てられた悲しみから魔王になってしまったパレに、ピピが変身頭巾をかぶって大事にしていた羊のヌイグルミであり図書館の司書だったポージーに変身して語りかけます。それを見て泣き出すパレ。
トリセツが現れて、これにてパレの魔王任期終了ということで、次の魔王を誰にするのかピノピが決めるよう言います。ピノが思いついたのは、本物の世界で活躍していて、魔王を倒そうとする人物が現れてもやっつけられる、そんな人物。呼び出されたのは、赤壁の戦いのときにはすでに幽霊になっていた孫策。こうして魔王が後退し、長靴の戦士は役目を終えます。エピローグは、ピノとピピに戻った平穏な生活とそこに加わったパレ。
最終5巻はボリュームもあって、長いあらすじになっちゃいましたね。いたるところに作者がプレイしたゲームの小ネタがちりばめられているんですが、私は残念ながら古いゲームのタクティクスオウガくらいしかわかりませんでした。ただ、雰囲気だけでも楽しめて、読みやすい作品でしたね。
- 作者: 宮部みゆき
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