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Dimension W / 岩原裕二(9)、イースター島中心部で対峙するキョーマ、ハルカ、ルーザー

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ディメンション W 9巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスSUPER)

「クーデルカ」や「DARKER THAN BLACK -漆黒の花-」のコミカライズ、「いばらの王」の岩原裕二先生の最新作。1月からアニメ化もしています。

「Dimension W」の世界とこれまでのあらすじ

次元間電磁誘導装置「コイル」の発明により、無尽蔵のエネルギーを取り出すことに成功してエネルギー問題が解決した未来という設定の世界。コイルは3次元(X, Y, Z)に続くWの次元に存在するエネルギーを取り出す技術という設定で、タイトルの「Dimension W」はこの次元Wのこと。

無尽蔵のエネルギーがあれば人類が平和かというとそんなことはなく、相変わらず貧困格差に悩まされていました。すべてのコイルは政府の監視下にあるため、不正コイルと呼ばれる管理外のコイルを使った犯罪が多発していました。主人公のマブチ・キョーマは不正コイル犯罪者と戦う回収屋。キョーマはかつて存在した最強の精鋭部隊「グレンデル」の生き残り。

ヒロインの百合崎ミラは、コイルを中心とした世界システムの開発者百合崎士堂が作り出したアンドロイドで、「私が死んだら、不正コイルを辿れ。そこにお前の生きていく道がある」という博士の遺言に従いキョーマのところに来て不正コイルを追います。

5巻からイースター島を舞台に、主要な登場人物がみんな集結して次元Wの謎を追う戦いに突入しています。イースター島は「グレンデル」が壊滅した最後の任務の地。キョーマがコイルの存在を忌避するに至った真実が明らかになっていきます。現在のイースター島は、かつてコイルを統べるニューテスラエナジーと反対勢力が戦い、何らかの事故が起こり「可能性の虚無」と呼ばれる生物の存在しない空間になっています。サルバ王子が世界中の回収屋に呼びかけ、そこにあるコイルに莫大な賞金をかけて調査が開始されました。

9巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

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島の中心部、アドラステアへ

ルワイ王子が殺されたことで激昂し、K・Kに襲い掛かりトドメを刺そうとするキョーマを、ミラが止めます。殺されたルワイ王子の体は遠隔操作のロボット。ルワイ王子は肉体をロボット化していたのではなく、生きた状態で生命維持装置から高度な次元W通信により感覚を共有するロボットを操作していました。

ルーザーとクライスラーの戦いにはルーザーが勝利し、5つ目のナンバーズを手にします。キョーマたちはサルバ王子と合流し、島の中心部にある転送装置に向かい、ルーザーと対峙します。ルーザーはたどり着いた全ての人たちに、自分が知るあのとき転送装置で何が起こったのかの記憶をナンバーズを使って再生します。

ルーザーの記憶

イースター島にある研究施設アドラステアでは、コイルを使った宇宙開発のために転送装置の研究が進められていました。ラットを使った実験で、死体やおもちゃの転送には成功するも、生きているラットの転送にだけは成功しませんでした。次元Wからエネルギーを取り出す式にある「可能性」に生命の秘密が書かれていて、現在の理論では見えていない部分があると語る百合崎士堂博士。その百合崎博士の一番弟子という事で、すべての元凶と言われていたハルカ・シーマイヤーが登場します。

転送装置開発に加わったハルカは、これまでの言動を翻して開発を止めるよう圧力をかけてきた百合崎博士を恨み、独自に転送装置の核となるコイル「GENESIS」の理論を完成させていました。無から有を作り出すことさえ不可能でないともされ、サルバ王子が追い求めているコイルでもあります。グレンデルが突入したあの日、ハルカは研究所の全員を裏切りGENESISを完成させるために研究員の体を使った人体実験を行なっていました。人間を転送するときに、次元Wを通じて再質量化できることであらゆる生命を創りだす技術が完成したことになります。ハルカに無理やりその実験を強いられていたのがソフィア。ルーザーの正体は、そのときハルカに人質に取られていたソフィアの夫ジュリアンでした。

ジュリアンを太平洋の彼方に転送した時にGENESISが完成してしまっていました。キョーマが突入し、GENESISをハルカから取り上げたところで記憶が途切れていましたが、その後に何が起こったのかも明らかになります。キョーマが手にしたGENESISの力で、キョーマだけが転送され、ソフィアがGENESISの代わりに5つのナンバーズを使って転送装置を暴走させアドラステアを次元Wに飛ばします。これによりハルカはGENESISなしでは再質量化できない空間に幽閉されることになりました。

ハルカ・シーマイヤーとの戦いに

結局、島の中心部にもGENESISはなく、キョーマの記憶と共に失われたことが明らかになります。ハルカはソフィアの死体を改造した巨大な兵器を送り込んできます。狙いはキョーマの脳。ルーザーがナンバーズを集めていたのはハルカにいる空間に行ってハルカを討つためでした。ハルカが召喚した兵器に対して、ニューテスラは島外から荷電粒子砲を打ち込んできますが無尽蔵のエネルギーにアクセスできるため完全に無力化されてしまいます。

ハルカはルーザーに、マブチ・キョーマを差し出せば、ジェネシスを使ってソフィアを再生してやると持ち掛けてきます。これは明らかにイエスとは言わなさそうなんですが、ナンバーズを使ってハルカのいる空間に乗り込んでトドメを刺しに行くってのはありそう。

しかし、結局キョーマの記憶にあるジェネシスの場所は謎のまま。ミラの記憶にあった二重コイルとの関係もわかりませんし、まだまだ伏線が残っています。

ディメンション W 9巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスSUPER)

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ディメンション W(9) (ヤングガンガンコミックススーパー)

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