レトルトパウチ! / 横槍メンゴ(1)、恋愛至上主義のエリート学校で貞操を守りぬく話

ミラクルジャンプで連載さられている横槍メンゴ先生の「レトルトパウチ!」。当然のごとく学校を舞台とした恋愛モノです。そして、もちろん「普通」じゃありません。横槍メンゴ先生ですからね。

舞台となる学校は国立・衿糸(えりいと)学園。名前そのままに偏差値70を超える超エリート高校。多額の寄付金、授業料が必要で、卒業後は大学、超一流企業までエスカレーター式に進んでいくことが約束されています。生徒はみんなお金持ちの子女ばかり、ここまでは普通。

何がおかしいって、この学校の目的は勉強じゃなくて恋愛にあること。少子化で行き詰まった日本が、効率的にエリートの子孫を生産するためにこの学園を設立しました。不純異性交友なんて単語が絶滅して、性交渉したものほど偉いという価値観が支配しています。サクラサクラと共通するものがあります。

サクラサクラ / もりしげ(1)-(3)、究極まで少子高齢化が進んで日本で、生徒3人の高校生活恋愛コメディ - PHMPK.LOG

そんな学校にあって、貞操を守りぬこうと頑張る明星幸流(あけぼしさちる)と清天我(きよしてんが)の面白いやりとりが展開されます。テンガとはまたすごい名前。

1巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)

明星幸流と清天我は、恋愛至上主義の衿糸学園にあって落第生です。恋愛に興味を示しません。保健体育の授業風景は普通じゃなく、クラスでただ一人の処女である幸流にとっては辛いもの。そんな幸流をかばう幼なじみの天我。

「処女補習」と称して保健体育のグラマーな先生に呼び出された幸流は、バーチャルセックスをもたらす怪しげな「快感伝導マシン」で体に快感を叩きこまれます。堕ちるのも時間の問題と言い放つ先生から、「彼女は"処女四天王"の中でも最弱」などとどこかのギャグマンガみたいなセリフが飛び出しました。そんなものに四天王なんてあるのか。

幸流を励ます天我のセリフもシュール。「オレはこの学園に置いてただ一人の童貞」「一緒にがんばろう、お互い守りぬこうな」といって励ましてますけど、そんな頑張るところなのか。幸流が天我に思いを寄せているのにはまったく気づいていない様子。

そして、2人目の四天王が登場します。宇留鷲恵麻(うるわしえま)という抜群の美貌と飛び抜けた財力を持つ女の子。処女でありながら、圧倒的なオーラでそんな様子を微塵も感じさせません。彼女のセリフからタイトルの由来が明らかに。レトルトパウチは無菌状態、穴が開いていないから腐らないというセリフ。

またも快感伝導マシンで、補習を受けさせられる幸流と恵麻。男性用が無いので、天我をどうすべきか悩んでいるという保健の先生は、幸流と恵麻とくっつけて処女と童貞の一挙解決を狙っています。しかし、2人に迫られるも感度グラフが微動だにしない天我。鉄の童貞っぷりを見せつけます。次に登場したのが、恵麻のいとこのめばえ。授業をサボって肉欲に溺れる優等生。若いうちから楽しまないでどーすんのという価値観の持ち主。本能に逆らう天我たちを許せません。そのテクニックで持って天我に迫りますが、平静を崩せません。

次々に可愛い女の子が登場しますが、恋愛に発展しないラブコメというところが、また普通じゃなくていいですねー。それにしても天我の鉄壁ぶりが凄い。