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ゼクレアトル〜神マンガ戦記〜 / 戸塚たくす / 阿久井真(1)-(4)、打ち切り、作画交代、スペシャルエクストリーム完結祭りへの展開を考察

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ゼクレアトル~神マンガ戦記~ 4 (裏少年サンデーコミックス)

裏サンデーで打ち切り終了となった「ゼクレアトル」。タイトルは、作者→the creater→THECREATER→ゼクレアトルから来ているようです。

ch.nicovideo.jp

完結から3年を経て、作者がどうしてうまくいなかなったのか考察する文章を公開。連載当時、私が、というか大半の読者が感じていたであろうもどかしさが的確に言語化されています。

ゼクレアトルのあらすじ第二幕まで

あらすじの最初が徹底的にマンガをメタっていたのが衝撃的でした。主人公のカンタの前に、作者であるゼクが現れ「お前はこの漫画の主人公だ」と告げられます。自分の手元にやってくるサンデーには、過去の自分の行動がマンガ化されて描かれています。

ゼクによる「この漫画を面白くしろ」という無茶振り。主人公補正で、わざとらしいパンチラや唐突に絡んでくる不良という展開に説得力を持たせます。

メタ構造を続けていくギャグマンガなのかなと思いきや、突如「魔王軍」が登場して両親が殺されます。マンガを盛り上げるためにゼクによってか、魔王軍によって殺されたのかよくわからないメタ構造に悩むカンタ。

一幕(後半) 悩みの時 4~5話

・作品を盛り上げるため、両親が「魔王軍」なる組織に殺される

・「変身ヒーローになって、魔王軍と戦え!」と言われる

第一ターニングポイント(大転換点①) 5話

・物語上の茶番で両親が殺された事に怒り、魔王(作中の敵)ではなく作者「ゼク」に宣戦布告する   セントラル・クエスチョン(物語上の最大焦点):

 「漫画世界の駒に過ぎない」というメタ支配構造から脱出できるか!?

ここからどうやってマンガの中の世界というメタ支配構造から飛び出るのかな、と思っていましたが、作者が考えていたのは以下の解法。最終話でも文章だけで長々と触れていましたが打ち切りで用意したとってつけじゃなくて本気だったんですね。

問題:マンガ内のキャラが、どうやってマンガの外の世界に出るか 解法:

・マンガ内世界の文明レベルを上げて、「脳の電子化」技術を達成する

・主人公の脳を、電子データ化

・そのデータを、漫画の紙面上に仕込む(QRコードのイメージ)

・漫画の読者(ファン)が、その電子データを元に、主人公を再生

 (料理漫画のレシピを見て、現実世界の人間がその料理を再現するイメージ)

・漫画の外の世界に脱出!

大分ややこしいけど、コレ以外は思いつかなかったのだから、仕方ない。(もう1個、もっとややこしいもの(エゼルという設定)も思いついたが、それは前提説明がもっと必要で面倒くさい)

その時点で僕がすべきことは、「じゃあ、主人公がこの方法に至るには、何が必要か?」と考え、Bストーリーにそれを仕込むことだ。

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しかし、説明が登場するだけで、実際にはそんな展開は出てきませんでした。最後にちょっとほのめかす程度。

しかし実際には、『セットアップが終わったら次はとりあえず「ライバル(シャドウ)」登場っしょ!』というマンガ経験則に従って、闇雲に進んでしまった。

魔王軍を統べる大魔王は、ゼクによって用意された不幸な過去を持ち、作者のゼクと自分をかませ犬にする予定のキャラに貶められたライバルポジションのフーマ。そのフーマの過去と、封真に相対するカンタの葛藤が描かれます。普通のバトルマンガならこれでよかったんでしょうけど、その合間にもメタ的にマンガを見ているシーンが挿入されるうえに、いまいちバトル漫画としては面白くない

大事なのは、提示したセントラル・クエスチョン「メタからの脱却」をグダグダ放置せず、ちゃんと三幕構成的に向き合い、始末してから先に進むことだった。

第二幕のBストーリーをグダグダと引き延ばすのは、よくない。もうやめにしましょうよ、そういうの!

最大の焦点→その解法 くらいは考えてから始めましょうよ!!!!!?

実際のゼクレアトルの第三幕がどうなったのかは、割愛します。 「カンタと先輩が和解」の付近で、リアル作者世界(この現実世界)での打ち切りが決まったので、スペシャルエクストリーム完結祭りに突入し、とにかく完結まで持って行ったという形です。力不足をあれほど痛感したことはなかったです……。

実際のゼクレアトルの第三幕(スペシャルエクストリーム完結祭り)

17話から、作画の阿久井真先生の手を離れ、原作である戸塚たくす先生自身の手で作画することになります。スペシャルエクストリーム完結祭りと書いていますが、トラブルがあったことは明らかでしょう。なんといっても作画のクオリティ激落ちです。小畑健先生が描いていたと思ったら、ガモウひろし先生に変わった、みたいな。

お互いに仲間を引き連れて対立するカンタとフーマ。フーマの過去編をサンデーで読んでその辛さを感じたと語るカンタは、それでも一人孤独で戦い続けるフーマに憧れ、仲良くなりたいと言います。そのとき、自分が陰の主人公になった理由を悟るフーマ。自分とはやはり相容れないということでカンタの前を去ります。

熱い展開が描かれて(仙界にいるマンガ内の)読者も白熱しますが、仙界では危険思想が含まれるということで「主人公カン太」の打ち切りが決定します。

ゼクは、仙界に無料でゼクレアトルの続きをばらまき、「続きを読みたい」という思いを集めます。その思いで仙界に至るカンタとフーマ。そして超展開で、ゼクがカンタに「ずっと好きだった」と愛の告白。

さらに、漫画を創造した仙界をも創造した創造主の夫婦2人が登場。その2人は、科学が発達して究極まで行きついてやることがなくなった未来で、この世界を創造するに至っていました。メタ構造の中に放り込まれた更なるメタ。

ゼクの願いを聞き入れ、新たなマンガが始まります。ゼクの目的に巻き込まれた登場人物がすべて救済されたうえで始まるカンタの物語。初日にして、かわいい女性の姿となった転校生ゼクレアトルがやってきます。まさしくスペシャルエクストリーム完結祭りと呼ぶにふさわしい展開。

戸塚たくす先生は、3年たってから振り返る記事を執筆されましたけど、再び漫画家として作品を世に出す予定はあるんでしょうか。辛辣なコメントがたくさんついていますが、とりあえずオーシャンまなぶの続きをみんな待っています。

ゼクレアトル?神マンガ戦記?(3) (裏少年サンデーコミックス)

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ゼクレアトル?神マンガ戦記?(4) (裏少年サンデーコミックス)

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ゼクレアトル?神マンガ戦記?(1) (裏少年サンデーコミックス)

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ゼクレアトル?神マンガ戦記?(2) (裏少年サンデーコミックス)

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