8巻のあらすじと感想
カコの正体を追い求めて故郷の島根までやってきた岩野。カコの正体に思い当たった岩野は、蒸気機関車の置かれた立入禁止の公園へと向かいます。カコに向かって「合原陽太」という名前を出します。
9巻のあらすじと感想(ネタバレ注意)
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中学時代に男同士で性欲を処理する気持ち悪い遊びをしていた岩野たち。そこに無理やり混ぜられたのが合原陽太でした。あのとき合原陽太を巻き込んだのは自分だけじゃないのに、なぜ復讐の対象が自分だけなのかと問う岩野。
ここから「もう時間がありません」ということで、カコが自分の正体を語る怒涛の展開が始まります。読者を置いてけぼりにするつもりとしか思えない情報量で、自分の正体を語り始めます。
8巻では男が性転換して女の姿になっていたかに思われていましたが、カコの正体は合原陽太の姉で正真正銘の女。南京錠で隠していた服の下には、虐待でつけられた大量の傷がありました。その傷をつけたのは岩野の父。
岩野の父が鬼畜で、父親をなくしたシングルマザー家庭の相原家に入って暴虐の限りを尽くしていた事実が唐突に明かされます。岩野が復讐のターゲットになったのは、息子だったから。
結局真実を自分で全て語り、急転直下で結末へと至ります。藤森は無事で、カコは自殺を選択。最終回、相変わらず藤森と付き合っている様子の岩野は、別れた妻子とも和解したかのような描写で終幕となります。
打ち切りだったんでしょうか。ベストなのは、カコの正体を読者がある程度推理できるような形で伏線をばらまきつつ、最後にその正体が明かされて読者が裏切られる、みたいな展開だったんでしょうけど。かなり尻すぼみと言うか、読者置いてけぼりの終わり方になってしまいました。

- 作者:河野那歩也
- 発売日: 2020/02/28
- メディア: Kindle版
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