トモダチゲーム / 佐藤友生(1)(2)、友情を引き裂く高校生版ライアーゲーム

「トモダチゲーム」は原作山口ミコト先生、作画佐藤友生のマンガで、別冊少年マガジンに連載されています。別マガは次々に面白い漫画が出てきますね。佐藤先生の作品では「探偵犬シャードック」が面白かったです。

簡単にあらすじを説明すると、高校生の仲良し5人組が借金を返すためにトモダチゲームというゲームに挑むというものです。そのゲームがまたいやらしい。囚人のジレンマに陥る設計で、友情をズタズタにするようにできてます。裏切り者が有利なわけです。みんなで協調できれば、もちろん一番いいんですけど。

主人公は片桐友一、高校2年生。貧乏家庭の新聞奨学生です。今は修学旅行の費用を貯めるために頑張っています。

その友一の親友が4人、四部誠(しべまこと)、沢良宜志法(さわらぎしほ)、美笠天智(みかさてんじ)、心木ゆとり(こころぎゆとり)。キャラの性格付けはありますが、みんななかなかに良い奴設定です。そんな5人が、正体不明のマナブくんという人形が指示するゲームに参加することに。

1巻と2巻のあらすじ(ネタバレ注意)

クラスの修学旅行費200万円が盗まれるという事件が起こります。クラスに不穏な空気が漂う中、友一達5人はそれぞれ手紙で深夜の学校に呼び出されます。そして、何者かに後ろから襲われ、気がつくとゲーム会場に。マナブくんから、このゲームは5人の中の誰かが背負った借金2000万円を消すために開催されたことが明かされます。誰かはわかりませんがなんだかんだで、各自が借金400万円ずつを背負うことに。ゲームは一つクリアする毎に賞金200万円が得られます。

第一ゲーム「コックリさんゲーム」

コックリさんの見た目ですが、中身はyes, noで答えるクイズの少数決。誰がどちらに投票したかはわかりません。全員が同じ答えならそちらに。5人が一つずつ割り当てられた問題を読み上げていきます。もちろん喋って協力するのは無し。

問題は「日本で一番高い山は富士山である」とか「1+1=2である」などの簡単なものばかり。コックリさんの結果はnoばかり。友一が自分に割り当てられた問題用紙を見た時にその謎が解けます。問題や出題者の自由でした。下の但し書きがなんと「答えがいいえの時に出題者のみ借金が半額」と書かれています。なぜかnoになったのはこのためだったんですね。全員が自分の借金だけを半額にしていった、というのが真相でした。友一は、みんなを疑うことをやめてyesを選択しますが、なぜかnoに。クイズに正解しなければ、結局ゲームクリアとはなりません。そのため友一はしゃべるという借金2倍のペナルティを負って、裏切り者をハメる賭けに出ます。「借金総額が最も少ないものにブービーペナルティがかかる」という嘘で。結局最後は裏切り者が素直にyesを選んで5問目でなんとかクリア。

このあと第二ゲームまでの間に、なにやら友一と沢良宜の間で怪しげなやり取りが。

第二ゲーム「陰口スゴロク」

自分も含めて最も大きな秘密を暴露された人から順に順位を付けて進むスゴロク。毎回紙に他人の秘密を書き入れます。もちろん誰が誰の陰口を書いたかはわかりません。これも、誰も陰口を書かなければ全員が同じように進んで同時クリアで賞金が得られます。他人を進めて最初にゴールさせれば、自分の賞金は増えてゴールさせられた人の借金が増えます。

今回は陰口というゲームの性質上喋ってもいいようです。明かされる秘密は「整形していた」「援交していた」「父親がどうしようもない悪人」といった辛辣なもの。この話の途中で、あっさり裏切り者が明らかになります。美笠天智でした。彼の狙いは友一に惚れている沢良宜を自分のものにすること。そのために、友一に疑いが向くように修学旅行費を盗んで隠していました。ここからは美笠視点で物語が進んでいきます。悪いやつですねー。全員を手玉にとって秘密を暴露して精神攻撃していきます。

ただし、ここで終わらないのがこのゲームの恐ろしいところ。そろそろ疑われるかと言う所で秘密を何も書かずに出したところ、まさかの「友一が殺人者である」という大暴露。これを入れたのは誰でしょう。

美笠は裏切り者とはいえ、他にもっと裏から全員をはめようとしている人物がいるのではと思われますね。そもそも冒頭の2000万円の借金を背負っていたのは美笠ではなさそうですし。友一が沢良宜とゆとりに何をこっそり伝えていたのかも気になります。

高校生の友情を担保にしたライアーゲームって感じですね。ゲームを監視している女性2人が何者なのかもまだ明かされていません。続きが楽しみです。