冒険王ビィト / 稲田浩司 / 三条陸、10年ぶりの連載再開となった48話と49話のあらすじと感想

ジャンプSQクラウンSPRINGで9年8ヶ月ぶりに連載再開した「冒険王ビィト」。体調を崩されていた稲田浩司先生が復活しました。読んでいて、当時の絵柄そのままで、ちょっと涙腺が緩みます。

ジャンプSQクラウンSPRINGには、月刊少年ジャンプで掲載された48話と新しい49話が収録されています。48話は単行本(最新12巻)未収録ですが、全4巻の総集編「Buster's Records」には含まれています。

冒険王ビィトのこれまでのあらすじ

「暗黒の世紀」と呼ばれる時代。魔物(モンスター)を操る魔人(ヴァンデル)の存在により、人間の生活が脅かされていました。主人公のビィトは、大陸最強と名高かったゼノン戦士団の5つの「才牙(サイガ)」をその身に宿して魔人たちと戦います。

ビィトの成長を脅威と感じた魔人を統べる魔賓館は、魔人の頂点の称号「八輝星」を餌にして、最強の全世界の七ッ星魔人にビィトの命をめぐって競わせます。同士討ちを避けて魔人たちは1人ずつビィトに挑むこととなり、最初の不動巨人ガロニュートこそなんとか倒しますが、2人目の天空王バロンは最強の魔人ベルトーゼに勝るとも劣らない武闘派で、ガノニュートの時の比ではない窮地に追い込まれます。

ちなみに、私はビィトたちに悲しくも敗れてしまった「不動巨人ガロニュート」が大好きで、オンラインゲームなどをプレイするときのキャラ名・ハンドルネームに「不働巨人ガチニート」とつけていました。

48話と49話のあらすじと感想(ネタバレ注意)

瀕死のビィトに迫るバロンを止めるために現れたキッス。防御も迎撃も不可能なバロンの冥光球を、わずかな大気流の操作で誘爆させてしのぎます。まぎれもない天才だからこそなせる業。さらに、防御一辺倒だけではなく、攻撃の合間にバロンに天撃を命中させてダメージまで負わせます。

キッスを天才と認めたバロンはこれまでの比ではないほどの大量の冥光球を放出してきます。大量の上空からの爆撃を紙一重でしのぎますが、土中に潜ませた冥光球でビィトのいる診療所が跡形もなく粉砕されます。

絶望して投げやりになったキッスを救ったのは全快になったビィトでした。ボロボロだったはずなのに、全快での復活。体から翼の騎士と同じ光が出ていますが、これの影響でしょうか。

ザンガは「ビィトと真正面から戦うな」とアドバイスしますが、バロンは意に介しません。バロン最強の技であるミーティアルウイングを解放します。自在に動く6枚の刃で、5枚をキッスに向け、1枚を手に剣のように持ちビィトに切りかかります。エクセリオンブレードとぶつかると、わずかですがエクセリオンブレードの方に裂け目が入ります。すさまじい硬度。

トドメをさせるチャンスがあるにも関わらず、手を出さないバロン。狙いはビィトの真の力を引き出したうえで、それを叩き潰すことでした。必死にバロンを説得するザンガですが、最後はバロンの意思の固さを見て諦めます。

連載再開はとにかく嬉しいの一言ですね。ただ、ジャンプSQクラウンなんで、話が進むのはかなり時間がかかりそうです。物語最大の謎である「世界の成り立ち」が明かされるのはだいぶ先になりそうです。

人間を襲う魔人は、七つ星くらい強いものになると町を守る壁なんて苦も無く破壊できるんですが、それだと点数が稼げないので町を襲ったりはしないんですよね。変に調和のとれた戦士と魔人の関係の謎が明かされるのはいつなんでしょう。